給食 ~牛フタ~ By Y平

思えば小学生のときってほんとバカだったよ。なんつーか何も考えずに生きてた。
学校ではかけ算の練習ばっかやって、家に帰ったらドラクエ5やるだけ。
そして寝る。
あの頃にもっと生産的に生きていれば、今頃あるいは……だなんて思っちゃうけど、
そうやって夢想するあたりがバカの証っす。
そういえば、僕が小1ぐらいのときかな。給食の時間に大流行した遊びがありましてね。
「どこまで食べれるか?」っていう遊び。
食べるっつっても、ただ食べるだけじゃないよ。あるものは何でも食べるの。
あ? ピーマン? レーズンパン?
ばっか、食い物の時点でアウト、論外っすよ。
そんな「嫌いなものを率先して食べようキャンペーン」みたいな、
偽善ぶったことやりません。俺らが食べるのは、ひたすら食べれないものっす。
食べれないものを食べる? 矛盾。確かに矛盾ですわ。
まあでも人間食べれると思ったら、靴の革とかでも食べれるかんね。
例えば、牛乳についてる紙のフタとかあったでしょ? 牛フタってやつ。
あれなんてもう、みんなモッシャモッシャ食ってたね。
この遊びをできるかどうかの登竜門的存在になってた。
牛フタ食えなば話にならん、みたいなノリでしたよ。
丁度、野球するのにキャッチボールできんとアカンみたいなノリで。
「いただきます」したらまず牛フタ。それが僕達の最新のトレンドだった。
ためらいもなく牛フタを食ってのける士が英雄としてもてはやされる世界。
初めのうちは、クラスの一部の勇気のあるメンツしか食えなかったが、
だんだんパンピーにも食べられるやつが出始めてくる。
しばらくすると、無味の牛フタに飽きたのか、
牛乳をぬりたくって食べはじめるヤツもでてきた。んで、
「牛フタうめえ」
「マジで~、何味なの?」
「牛乳味」
「うっそ、おれもやってみよ」
そんなハイクオリティな会話まで飛び出す始末。
牛フタを食べるのは普通みたいなノリになってくると、
どんどんエスカレートしていくのが小1の小1たる所以でね。
まずはわら半紙を食べるやつが発生。
これは唾液で軟らかくできるので、わりかし食べれる。
牛乳にひたして食うと牛乳味でうまい。
わら半紙食いの一番槍は近藤君で、彼はしばらく給食の英雄となるわけです。
「近藤君がわら半紙を食った」
そのことがクラスに広まるや否や、なんとか近藤君に追いつき
追い越そうとする第二、第三の英雄が出てくるのが競争社会の摂理。
しかしここでわら半紙食っても二番煎じ感は否めないのが現実です。
そこで考えた、野心家の少年は考えた。硬いものを食うしかあるまいと。
そしてついに、アイスの木スプーンを食う士が現れたのだ。
あれは誰だったかな? 確か角田くんだったと思う。
角田君、めっちゃ頑張って硬い木のスプーンかじってた。
牛乳にひたして軟らかくして、真ん中で追って、繊維単位でむしゃむしゃと。
「うん、うまいよ」
だなんて、すました顔で言ってたけど、みんなさすがに気づいてたよ。
牛乳の味だろうなって。
対抗して、アイスのカップとかを食べ始めるやつも出たけど、
木のスプーンに勝てる物はちょいとない。クラスの英雄は角田君で決まりだと思われた。
しかし違った。子供たちの可能性は無限だったのだ。
木スプーンを超える少年が現れたのだ。
その少年はなんと、牛乳瓶についてる、青いビニールを食べた。
クッチャクッチャとビニールを食った。そして無理やり胃に押し込むと、
強がった面持ちでこう言った。
「食えないことはない」
食えない。これにはさすがに皆ひいた。
そして先生が飛んできて鬼のように少年を叱った。
そのころは体罰とかうるさくなかった時代なので、
普通に2,3発張り手とかされてたのが印象的だ。
というわけで、大人という権力の介入でその遊びをするものは誰もいなくなったのである。
角田君も近藤君も、ただの「気持ち悪いキャラ」ポジションに戻った。
彼らは幾分か悲しそうであった。
最後の少年の名はY平という。紙とか、木なら虫でも食うが、
ビニールを食うやつは古今東西ちょいといないであろう。
こうして省みると、なるべくして変人になった感があるね。僕。
さすがにビニールはなかった。死ななくてよかった。
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ラストヒゲザムライ By Y平

朝起きる。布団を出る。顔を洗う。
その段になって、自分の顔に無数に生えている無精ヒゲを見て愕然とするわけで。
はっきり言ってしまえば気持ち悪い。自分で気持ち悪いと思えるレベルなのだから、
これは相当の不細工ヒゲといっていいだろう。
例えるなら、クレヨンしんちゃんの野原ひろしレベル。大根もおろせるぐらいのヒゲ。
これはいくらなんでもやばいだろうと。早いとこヒゲを剃ってしまおうと。
……まあ待て、ちょっと待て。一寸、考えてみよう。
ここまで生えてしまえば、なまじ剃ったところでどうなるのだ?
とも思わないか。いや、思う。
こんな剛ヒゲ様、キレイに剃りきれるとは思えぬし、剃ったら剃ったで、
100%青くなることは必死である。野原ひろしから、
保毛尾田保毛男[ほもおだほもお]への進化。
この進化は果たして僕に対価を与えうるのだろうか。否。
メノクラゲからコイキングに進化するに同じ。ということで僕はひげを剃らない。
次は、服を着る。いやはや所詮、僕もオスである。メスをひきつける孔雀よろしく、
愚かしいほどに身を飾る愚者である。
内面磨きとかそういうのは後回し。ぶっちゃけ外見すべてっしょ?
軽い頭で、言ってのける愚者である。
愚者は愚者らしく、意気揚々、
「さあ、女心を刺激するチャライ服に、今、袖をとおさんとす。」と高らかに宣言。
指が、腕が、そして肩が、黒いジャケットの袖穴に順番に挿入されていく。
……いや待て、待たれい。世の中にはバランスというものがあるのだよ。あんた。
一寸、考えてもみなさいな。あんた。
あんた野原ひろしなんだよ。顔もヒゲも野原ひろしなんだよ。
野原ひろしが玉木宏ルックのジャケットを着てどうするね?
玉木ルックの野原ひろしがもてるだろうか? もてない。もてるはずがない。
所詮はちょっとファッションを頑張ったヒゲである。野原は玉木には永遠に変われない。
服は玉木、顔はひろし。なんつーか、昔しょぼかった友達が、
今になって不良ぶってるみたいな。そんな悲しさを感じる。
つまりはバランスが悪いのだ。
ひろし顔に見合ったファッションをせねば、逆に気持ち悪い。
なまじオシャレするよりかは、野原ひろしらしく、もっさい格好をしたほうがいい?
試しにジャージを着てみる。うむ、このフィット感。最高である。
やはり僕の顔程度では、ジャージ以上にオシャレな服は着ないほうがいいようだ。
大学に着く。ヒゲもじゃもじゃの友人が、
ジェットストリームアタックのような動きをしながらやってくる。
「やっべー、昨日めっちゃAVダウンロードしちゃった! 素人モン!」
教室で叫ぶ友人。メスのいない教室。僕はヒゲ面をくしゃくしゃにしながら叫ぶ。
「俺も昨日は三回したなー、オナニー。デブモノで」
工学部ってオシャレしたり、気取ったりしなくていいから楽だよなー。
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さて、そんなことは置いといて、先日ラストサムライを見たのです。
そこで改めて思ったね。俺はトム・クルーズに似てるって。
まあ聞け。だいたいのストーリーは、トム・クルーズと渡辺健が、
「開国シテクダサーイ」とか言うハリスだか小倉ありすだかよく分からない外人相手に、
「俺はサムライだ!」とか何とか言って、頑として反抗するって話。
他の日本人は、事実上外国の言うとおりにしちゃってるのに、
最後まで「サムライ」らしく武士道を通す。そして武士らしい死……いや、生き様を!
みたいな。
つーか、な? これ、今の僕にそっくりじゃんね。
ファッション(外国)に流されてチャラチャラ身を飾るやつは、
外国に屈した情けない日本人ですよと。
んで、「服は専ら機能性」という、本来の目的(武士道)を通しきる俺は、
まさにトム・クルーズ、渡辺健(サムライ)。
愚直に世相に反するその姿勢は、多くの者の心を揺らし、
古きよきジャパンを思い出させる(注:日本ではない)。
こういうロジックが成り立つわけですな。
つまり、あんた達みたいなのは、ラストサムライで言うと、
トム・クルーズ(俺)を引き立てるための脇役。
小奇麗な格好で「俺(私)が主役よ!」みたいに輝いてるフリしてるお前らは、
本当は主役にはなれない一辺倒な人間なのだ。
俺(トム・クルーズ)こそが主役。輝いてるのは俺(トム・クルーズ)、
かっこいいのは俺(トム・クルーズ)なのである。
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しかし、サムライは華々しく散ることがセオリーとなっているようで。
つまり僕は破綻が約束されているというわけだ。
今日ジャージで名古屋歩いてたら、昔好きだった人に会った。
「え、その格好、ありえなくない? つか……別人……?」
だってさ。全然悲しくねえ。
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でもほんとにトム・クルーズには似てると思う。ヒゲの生え方とかが。
まったく悲しくない。
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セーラー服とはみチン By Y平

女子高生の制服がエロ過ぎる。ダイレクトに性的琴線に訴えてくる。
端的に言えばセックスしたい。制服を着た人とセックスしたい。
いや、制服そのものとセックスしたっていい。
例えば満員電車。脂ぎったオヤジが、ミニスカの女子高生にムラムラ。痴漢するぜと思う。
(こいつ、大人しそうだけど、目が鋭い)(もしかしたら、気が強いかも)
(でも気が強い子に限って、実は)(でも相手はミニスカ)(誘ってんだろ?)
(露出の多いほうが悪い)(触ってやんぜ、げへげへ)
そのようなご都合主義の妄念を、ミリセカンドのタイムスパンで巡らし、
いざ、その手をミニスカートの中へ。逮捕。
そんなオヤジを前にすれば、やはり僕は全力で軽蔑する。
だが軽蔑の念の他に、わずかながらも同情の気持ちもあるにはあるのだ。
「気持ち……分かるぜ?」
ぽんっとオヤジの肩に手をやり、精一杯の慰めの言葉をかけるだろう。
なぜなら仮に僕の脳がすべてチンコでできていたら、僕もまた同じことをやるのだから。
そう、女子高生の制服ってのはほんとチンコに訴えてくる。マジ、可愛さとエロさが3倍増し。
ブスな……と言っちゃあ語弊がありますが、わらじみたいな顔したあの娘も、
セーラー纏えば途端に蛯原。セックスしたい。
が、一方で。中学高校を卒業した人がセーラー服を着る行為となると、
世間の風当たりは冷たい。
「なんちゃってセーラーとかキモイ」
「太ももが全然ちげえ」
「顔が老けててアンバランス」
知識階級の変態たちは揃ってそんなことを言うのである。
「学生でなきもの制服着るべからず」
奴らはこの高札を掲げ、俺は変態だぜ! っと宣言する。
チャライね。ハッキリ言ってチャラチャラである。それで変態だなんてて、呆れるほどだ。
本物は違う。知識もない、金もない。夢もなければ希望もない、
本物の変態、つまり僕みたいなのは、なんちゃってですらチンコが勃つ。
太もも見やればセルライト。中年なのにおさげ髪。そんな女子校生をAVなどで見ても、
チンコはスパーキング!
見方としてはこう。
「このおばさん……セーラー服とか無理があるわw
 でも……その無理加減が……そそる!」
汚いモノ、おかしな物に逆にエロスを感じる姿勢。
これは転じて食糞等の文化につながるのかもしれない……つまり背徳感が……たまらない!(ビュッ)
これが真の変態であり、真の制服愛好家であります。
マイナスをプラスにする俺、超ポジティブ。
さて、そんな制服大好きY平さん。中学のときにクラスの女子のセーラー服を着ました。
後生だから、ここでブラウザを閉じるのはやめて欲しい。
ここでやめたら、僕はただの変態になってしまうのでね。まあ変態だけど。
カラクリはこう、だ。
中学のキャンプで、各クラスから出し物しよう、みたいなイベントがあったんすね。
それでウチのクラスは「男子がセーラームーンの格好して踊る」だなんて
いかにも中学テンションの出し物をやったんです。
まあ自己顕示欲の塊だった僕――ブログなんてやってるぐらいですからね――は、
率先してセーラー戦士役に立候補。亜美ちゃん役に速攻当確し、やる気マンマン。
するてーと、衣装はやはりセーラー服になるんですが、そのセーラー服、
どう調達しましょうかね? ハンズ? アダルトショップ?
バカ、クラスの女子からに決まってるだろうがよ。
僕らセーラー戦士は、クラスの笑いをしょって立つ、
いわば選ばれしものでしたから、もう断然ヒーロー扱い。
クラスの主導的ポジションの女子達が「私の制服使ってよ!」なんて
あれよあれよと申し出てくる。
そこで亜美ちゃん(僕)が借りたのは、学年1のヤリマン、速水さんの制服だったのな。
速水さんは中学にして推定Dカップ、先輩集団と猿のように乱交セックス!
みたいな噂の立つような娘で、まあ僕がセックス@脳内をした回数は
三桁をくだらないのだけれど、そんな娘から制服が借りられるって、
人生に何回も起こることでしょうか? ない。断じてない。
震えた。踊りながら震えたよ。学校一のヤリマンの制服を僕が着てるっていう背徳。
しかも夏服よ夏服。夏服っていうと、暑いときはブラジャーをはめ、
素肌のまま制服着る……なんてこともありますわいなあ。それを僕が着る感触ですよ。
ちょうど僕の乳首付近には、普段ブラジャーがあたってるわけです。
いや、ヤリマンの速水さんのことだ、ノーブラで着てるってこともありえる。
すると、なんてーの? 間接乳首とでもいうかな?
ジャンプする。乳首がすれる。回転する。乳首がすれる。
踊るたんびに速水さんの制服(乳首部分)が僕の乳首を優しく責める。
これはもう制服っていうか速水さん本人による乳首相互愛撫と考えて、
いっこう差し支えないわけです。
極めつけは、僕らが練習してる姿を見て、爆笑する速水さん達。
「Y平! いいよいいよ! これはイケる!」
弾ける笑顔で僕らを激励するエロ速水。速水さんの制服に包まれる僕。
マジこの構図でほんとにイキそうになった。リスキーやった。
さて、本番当日。「亜美ちゃんはショートだから」という理由で
カツラすら用意されなかった僕は、制服着ただけでステージへ。
ぶっちゃけ亜美ちゃんっていうか、制服着たY平っていうキャラとしか
認識されなかっただろうけど、そこは別にいいや。
結果は大成功。まあ中学生だし、「うんこちんこ」ぐらいじゃ笑わんけど、
「女装」ぐらいのレベルになると爆笑。まじ単純です。
僕達のクラスがヒーローになるのも順当といったところか。
そんなことより、速水さんの制服に脇汗がめっちゃついちゃったことが気になった。
マジやばかった^^
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そんなエピソードを思い出し、今日、久しぶりに中学の卒業アルバムを見てみたんです。
「キャンプ」のページにはセーラー服で踊ってる僕がチョリンと写ってる。和むなあ。
でも和みながら、じっと眺めてたら、トランクスの横からめっちゃはみチンしてた。
写真が小さいから分かりにくかったけど、確実にはみチンしてた。
学年250人全員にチンコ見られた。僕は深く傷つけられた。
そんなわけで、今、僕は当時のアルバム製作委員どもを相手に
訴訟を起こそうとしてるところです。
賠償金はもちろん当時のセーラー服。お前ら製作委員の制服がどうなるか、覚えてろよ。
チンコ包んでやるからな、制服で。ばかやろう
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レンタルビデオを返す、ただそれだけ By Y平

例えば合コンがある。女子大生メインの3vs3の合コンがあるとする。
そこでハナの自己紹介で
「Y平です! 好きなものはガンダムです!」
っつったら、光の速さで女性陣はひく。
「いや……ガンダム好きなのはいいけど、
 しょっぱなからガンダム言うのはないでしょ」
と今日の合コン失敗だわみたいな空気出しながらひく。
仲間の男性陣たちも突然の僕の暴走に、驚きを隠しきれない。
めっちゃ蹴る、掘りごたつの下で僕の足をボコボコにする。いたい、堪忍して。
これを偏見、英語で言うとprejudiceという。
さてもガンダムというワードには偏見がつきまとう。
これはSFを受け入れられない戦後からの風潮といいますか、
なんかロボットってダサクね? オタクじゃね?
なんつう凝り固まった思想がまだまだ日本にはびこっているからだと認識しております。
や、この状況、どうなの? 微妙じゃね?
作品を批判する場合、実際に作品を見ずにして、
偏見のみで批判するのは愚者のなせる業である。
批判するからには、マニアックなぐらいに対象を知り、内容を吟味し、
ときにはレポートなどを書いたりして、自分なりの意見を持つよう努力する。
そしてその上で「ガンダムとかキモい!」と声高に叫ぶのが、
賢人の賢人であるが所以よ。
ということで僕も、「ガンダム……ナンボのもんじゃい!!」っつーことで、
昨今、大学近くのゲオで週に2本というペースでガンダムを
レンタルしまくっているのだけれど、なかなかどうして。これが面白い。
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アムロが逃げる。フラウボが追う。
アムロ「ブライトさん……もうやだー!!」
うは、アムロ逃げおった! 死ぬぞ!? ジオンの手にかかってだって?
ちげーよ、敵前逃亡の罪でさwww
情けないアムロは置いてけぼりで話は進む。
幾多の戦火を乗り越え、段々と疲弊するホワイトベース。
苦戦をしいるアムロを尻目に、歴戦の士リュウがハモンに突っ込み爆死したのだった。
慟哭。
リュウが……リュウが……死んだ……? アムロのよき理解者、リュウが……死んだ。
若き艦長ブライトは、燃え盛るコアファイターに向かって泣きながら叫ぶ。
「勘弁してくれえ、勘弁してくれえ」
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ぞくり……これは、なかなか……いいネ!!
まあガンダムの話はどうでもよろしい。そんなことよりレンタルビデオっすよ。
僕って最近になって初めてレンタルなんてしたもんだから、
レンタルビデオ界の常識なんてついぞ知らぬ。いわばレンタル童貞ですな。
そのレンタル童貞のY平君。なんか休み明けに変なものを見つけたんですねー。変な黒いもの。
ラベルが貼ってあって、見たら「ガンダム」って書いてあんの。
あ、これビデオじゃん。先週……だっけ? いつかレンタルしたやつ。
確かこれ一週間レンタルだったから、確実に延滞してるよな。しまったしまった。
ということで大学帰りにプラリとゲオに立ち寄るY平さん。
もう何度も借りてるし、俺もそろそろレンタル童貞卒業だよな。
なんて思いながら、慣れた足取りで返却コーナーへ赴く。
店員「はい、二点延滞で、1680円になりますー」
Y平「そんな馬鹿な」
2本200円で借りたものの延滞料が1680円ってどう見ても悪徳。
レンタル童貞だと思ってなめてんのかカス野郎!
やおら俺は先日、不当請求対策を書き込んだはあちゅう手帳を開くと、
そこにあそばしましたる文字を見る。
「消費者契約法で延滞金は年利率14.6%まで」
ビンゴ。ほら見ろ。延滞した期間は三日。
三日で八倍の延滞料を要求されたんじゃあ黙ってられない。経済産業省が黙っちゃいない。
うら! この悪徳ゲオが! 消費者なめんなよ!
ウェイト、落ち着け俺。こんな高尚なる理論をバイターに説いたところで、
こいつが何か取り計らってくれるというのか? 否。絶対ない。
「私はバイトですので……」なんて言って言い逃れるに決まってやがる。
そうして俺は泣き寝入り。腐ってる。世の中腐ってるよ。
悪徳業者の魔の手はついにこんなところまでやってきた……
まあ冷静に考えたら、レンタルビデオ屋が不当利率使ってたら、
とうの昔に問題になってるよな。
どうせ消費者契約法の適用範囲だとか、
特例とかそういうのでOKってことになってんだよ、常識的に考えて。
という結論に達したきり、僕は考えるのを止めた。
財布に手を伸ばす。札はない。小銭入れを開く。900円しかない。
慟哭。
思わず店員に向かって「勘弁してくれえ、勘弁してくれえ」と泣いた。
泣き叫んだ。今となっては忌まわしきガンダムのビデオと店員さんに向かって泣き叫んだ。
知らなかったんです、俺童貞だし、留年だし、
あと東山線が込んでてどうしようもなかったんです。
僕の思いとは裏腹に、店員は「え、こいつ1680円も延滞した上に、金ねえの?」
みたいな露骨な顔して僕を馬鹿にします。
許さない。僕を馬鹿にする人、みな許さない。
店員「えっと……じゃあ一応返却しときますんで、今度お金持ってきてくださいね」
ツケ。俺はツケたのだ。酒屋でも何でもない、レンタルビデオ屋でツケ。
俺が悪いのではない、延滞料を強く説明しなかったビデオ屋が悪い。
もしくはガンダムが悪い。
そこで僕の頭の中でリュウが死んだ回のアムロのセリフがこだまする。
アムロ「誰が悪い……とかじゃない……! 仕方なかったんだ……!」
そうだった、誰が悪いとかじゃない。俺が悪い。
ほんと店員さん、ツケてくれてありがとう。
今日返さなかったら、延滞料が2240円になるとこでした。
マジ、俺、明日朝一番で返します。1680円。
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架空請求 By Y平

先日コンビニでバイトしてたときのことっすよ。
休憩時間に何気なく携帯をチェックしたら、なんやら知らない携帯番号から着信があったんす。
ちょうど今ぐらいの時期は人形劇の公演依頼とかそういうのが来る時期ですから、
こら掛け直さなきゃマズイな。っつーことで、休憩室からその番号にTELしたんすよ。
Y平「すいませーん。そちらから着信があったんすけどお」
男「え、はい?」
反応が悪い。公演依頼にしてはバカに反応が悪いです。しかも心なしかガラまで悪い。
Y平「いや、そちらから電話がかかってきてたんすけど……ボソボソ」
男「……あっ!」
やっと気づいてくれたみたい。やれやれ、電話かけてきといてそれはない。実際、焦ったぜ?
男「ご自宅、もしくは職場のほうにお伺いすることになってるんですけどもぉー!!
  分かってますぅ!?」

え、なんだこれ?
一瞬、理解するのに時間がかかった。公演依頼の人が僕の自宅に来る?
なんで? 電話でいいじゃん。そういう無駄にコミュニケイトするとかいらんす。
とかかなり混乱したあげく、これは架空請求の類だという結論にたどりついた。
つーかむこうも「……あっ!」って……途中で気づくとかダメだろ。
架空請求的に考えて。
Y平「はは。こういうのってホントにあるんすね。僕、初めてです」
架空「あん? 何笑っとんだおめ? 何笑っとんだおめ? きもちわりいなあ!!」
なんつーかこの兄ちゃん、さすが架空請求らしくメチャクチャにガラが悪い。
そして普通に悪口言うから凹みます。
会って20秒もたたないうちに気持ち悪い言われたのは初めてです。気持ち悪いけど。
Y平「はは、すんません」
架空「すんませんじゃねーよ気持ちわりーなあ!!」
Y平「はは」
架空「11月15日の夜1時20分!! てめえ利用したよなあ? 分かっとるだろお? ああ! きもちわりいなあ」
もう正直、僕ぐらいの変態になると、夜はネットで擬似セックス、3回。
っていう生活習慣がついちゃってますから、もしかしたら利用してるかもしれない。
しかしなぜ携帯番号がわれてるんだ? 携帯番号までわれるはずは……だなんて色々考える。
架空請求業者からすると、この「もしかして使ったかも」という心理を
利用するのがセオリー。この時点で僕はまんまと術中にはまってるわけですね。
まあその前にこの兄ちゃん怖すぎるもん。笑うしかできねえ……
架空「ほんとに分かっとるのか? おお!?
   ったくよー、利用したんだから料金ぐらい払えや。
   常識だろ、ジョーシキ(ひどくこの言い方がムカつくんだこいつ)」
Y平「はい、常識っすね」
この言葉を境目にこの兄ちゃん、激昂。ぶらあああああああああ!! 
みたいな怒鳴り声をあげて、あらゆる罵詈雑言で僕を罵ります。
これ、精神的にきつい。僕みたいなチキン野郎では、
準備なしでこの兄ちゃんと話すなんてできやしません。つーか話させてくれない。
Y平「はは」
架空「だからその笑いがむかつくんだよおおおおおおおおおおお!!
   マジ殺すぞこらあああ!!」
もうこの時点で僕の心は萎え萎え。
「ひ、ひええ。こ、殺される! 具体的にどう殺されるか分からないけれど、殺される!!」
だなんて恐れおののきましたね。もう払うしかない……! ってwwwww
架空「ふう……お前さー、童貞?」
ここへきて、僕の貞操の話が飛び出します。なんかよく分からないけれど、
ここは童貞と答えておいたほうがよろしいかと。架空請求的に考えて。
Y平「んーーーっと……童貞っすねえ」
架空「何? んーーーっとって? そんな考えることでもねーじゃん?
   即答で童貞って言えよ、バカじゃねーの?」
童貞でもバカでもないと自負しておるんですが、
なんかこの悪口だけ今までで一番的を射ていたので、凹みます。
やっぱ払うしかないよなーwwwww
架空「ガキがよー、アダルトサイトなんて利用してんじゃねーよ。
  ボケ。勉強でもしろ、勉強を」
Y平「はい、そうします」
なんか諭す形になってるんですが、この兄ちゃん、いいやつです。(すげえ見下した目で)
めっちゃ怒っといてあとで優しく諭す。
きっと社では「アメと鞭のサトル」みたいな感じで有名なんだろうな。
架空「じゃあね。ちゃんと払ってよ。頼むよ。」
Y平「分かりました」
ガチャリ
電話が切れました。やあ、ほんと、利用したのに払わない僕が全面的に悪い。
あんな優しい業者さんに迷惑かけて申し訳なかったな。
僕もいい年なんだから、もうちょっと社会常識とか学ばにゃならん。
そういうのを思い知らされた電話でしたね、ほんと。
で、どこにいくら払えばいいのかな?
マジ僕びっくりしました。まず、むこうがどこのサイトか分からない。
そして振込み方法についても、つーか料金にすら言及してない。
これで僕に払え払えって言ってくるんですから、かなり難易度高いです。
なんだろ? たぶん反省したら自分でお兄さんに電話かけて振込み先を
聞くっていう方式なのかな?
いわゆる怒って帰っちゃった担任の先生に職員室まで謝りに行く方式かな?
や、そら難易度高いなあ。また怒られるかもしれないなー怖いなー。(乾いた声)
一応、利用したかもしれないという不安があったので、次かかってきたときの対策として、
消費者契約法や電子契約法などの該当部分をお勉強。
ついでに脅迫罪の適用範囲なども勉強し、はあちゅう手帳にメモしておきました。
まあ話させてくれないだろうけど、お兄さんに言われたとおり、ちゃんとお勉強しました。
つーかやっとこさ念願のはあちゅう手帳を使うという段になって、
初めて書き込んだ文字が「不当請求対策」ですからね。
思わずはあちゅうごめんって思った。
とりあえず、次かかってきたら、大音量で杉山圭のAVを流したのち、
「うらあ~~!!ウチのアダルトチャンネル利用しただろ!
 料金払えコノヤロウ!」  ガチャリ
これでいこうと思います。
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あれからかかってきません。業者も大変なんだろうな。あの調子じゃ売り上げ0だよ。