【日記】アルパカ可愛い日記

アルパカぬいぐるみ
 朝。目を覚ますと彼女はすでに起きていて、忙しそうに化粧などをパタパタとしとても活動的でびびる。僕はと言うと、昨夜日記を書くために夜更かしをしていたため中々起きられず、ベットの中でウダウダしていた。……そわそわ。眠い。眠いがそわそわする。タバコです。タバコ吸いたい。眠いが朝一番の煙草を吸いたい衝動に襲われた僕はぐにゃりとベットから抜け出し、ベランダでウンコ座りしながら煙草を吸う。まずい。朝一番でたばこなんて吸ってうまいわけがない。でも吸う。あー。
 一通りタバコ臭いにおいをパジャマに付けた後、再び部屋に戻ってベットにイン。五分間隔でアラームを鳴らして浅い眠りを維持し惰眠をむさぼる。ぴぴぴぴ。もう五分。ぴぴぴぴ。もう五分。ぴぴぴぴ。もう五分。ぴぴぴムギュウ。彼女にアルパカのぬいぐるみを顔に押しつけられる。アルパカ可愛い。
 やむなく起きると、再びぬるりとした動作でベットから這い出る。お茶漬けが食いたい。昨日の夜から今日の朝はお茶漬けを食べると決めていた。あまりの眠さに「お茶漬けぇ。お茶ぁ漬け」とゾンビのようにうわごとをつぶやきながらウダウダしていると彼女がお湯とお茶漬けのもとを持ってきた。やべえ、これじゃ全然家事しない夫みたいなアレじゃないすか。なんかやらねばと思った僕は、ひとまず炊飯器から米をよそう。よそよそ。簡単なお仕事。これで「俺、家事とか全然やっちゃうタチなんだぜ」顔でズーンとしているんだから、彼女はさぞ鬱陶しかったことだろう。
 彼女と寮の前で別れ会社へ出社。朝からしこたま走ってこの世の終わりのような顔でタイムカードを切る。仕事か……適当にタスクを確認しつつ作業にとりかかる。全然眠くない。朝からお茶漬けを食べたことと、可愛いアルパカを押しつけられたのとで非常に気分がいい。快調に仕事をこなす。教育係の先輩に軽口をたたけるぐらいの調子の良さ。人見知りの僕が先輩とこんなに喋れるのはめずらしいことである。つっても大分先輩とは仲良くなってきたからねえ。会社にうまくなじめてきてる気がするわ。まあまだ一回も先輩と飲みに行ったことないけど。飲みに行く約束をした日は確実に原因不明の胃痛とかで有休をとる先輩だけど。仲良くなったわーほんと。うれしわー(白目)。
 夜10時に仕事を終え、同期のR君と退社。今日は燃えている。自炊とかもギャンギャンやっちゃえるテンション。R君と「今日の勝利条件は自炊して勉強することな」「一緒にパスタゆでようぜ」「やべー、今日完全勝利の予感だわー」などと寮の廊下をうるさくしつつ帰宅。パスタをゆでながら明日の朝ごはんの米を研ぐ。皿も洗う。あれ? 今日どうしちゃったんだろ? ついでにトイレ掃除も? あれれー、今日はなんかすごいんじゃなかろうか。すごくしっかりした人なんじゃなかろうか。悦に入りつつネコネコーと意味不明な歌を歌いながらパスタをゆでる。パスタできた。
 パスタと、R君が喜ぶかもしれんと思いザーサイを持ってR君の部屋に行く。R君、喜ぶかナ? あの人、中華系の料理ホントすきなんだよねー。などとルンルンでR君の部屋へ。ちなみにR君の彼女は僕とR君ができているんじゃないかと心配してるらしい。この前R君と僕がゲイだったという夢を見たとか言ってらした。何を言ってるんだか。まったく、もう。イヤな人。アノオンナサエイナケレバ。
 まあどうでもいいとして、R君チで飯を食った後は二人でひたすら基本情報の勉強にいそしんだ。お互いまったく違う部分を勉強しているのだが、いちいち二人とも独り言がうるさい。「へえー、こうやるんだ」「あーっときちゃったきちゃった全問正解」「稼働率がこれだからMTBFは~、あっとコレ正解しちゃったんじゃなかろうか」「あーーーっす、レコードのブロック化が~あーーーっす、すんごい」等など、とても真面目に勉強した。その勉強模様たるや進研ゼミのマンガとかでも十分流用可能な感じの雰囲気。進研ゼミ社会人講座がもしあれば、僕らをモデルにマンガを描くとよい。
 1時間きっちり勉強して帰宅。アルパカぬいぐるみがお出迎え。可愛い。いやあ、今日は良すぎた。これがリアの充ですよ。さんざん黒い感情を内に込めていた僕が、こんなに穏やかに日々を過ごせるなんてなんて幸せなんだろう。
 バカたれが。自分で自分を殴りたい。こんなんじゃなかったはずだ。何をのうのうと社会に飼われ牙を抜かれているのか。何を勤勉にがんばっているか。いやはや黒い感情はいつも持っておかねばならない。反社会的な精神はいつだっていいモノを生み出す。太宰治が「今日は銀座のカフェーでとってももてちゃってねえ」なんて馬鹿口開けて言っちゃうようなやつだったら人間失格は産まれなかった。麻薬。麻薬。女。と狂ったように不幸に向かっていったからこその失格だった。僕も失格しなければ。狂気をもっと。手始めにこのアルパカを殴るか。ぼっこぼこにするか。気持ち悪い顔しやがって。いいかげんにしろよ。僕は失格なんだぞ。よし。おら。死ね。つぶらな瞳。可愛い。あ。牙はとうになくなった。
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選挙など【日記】

 起床してみると10時半ぐらいになっていたので、遅刻をかましたと思いガバリと起き、あーうーやっちまったよー死ぬよー課長に怒られるよーなどと熊のように30秒ぐらいグルグル部屋を回ってたら今日が日曜であることに気づきホッと一息。しかし、ドラゴンボールを見逃していたことに気づきウギャーと一瞬叫ぶが、先々週にセル編で最終回だったことを思い出しホッと二息。なんでセル編でおわるんだよーとため息。平和な日曜である。
 昼から彼女が家に来て遊ぶことになっていたのだが、選挙に行ったり掃除をしたりしなければならなかったため昼からすぐに遊ぶのは無理と判断する。「寝坊したー」とメールを送信した。するとすぐに彼女から「寝坊したー二号」と返ってきたのでよっしゃゴロゴロできるぞと思う。向こうもたぶん思ってた。
 適当にひげをそり、飯も食わずに外へ出る。選挙だ。北海道の雪もようやく溶け春めいた風が心地いい。やべー野球したいと腕をぶんと振ってみるとビリリと肩に激痛が走る。昨日同期、後輩でノックをした後遺症がでている。歳が確実に体に来ている。いってえ。これ、歩くのもきついよ。歳をとるにつれて、人は健康の話しかしなくなるとどこかの本で読んだがまさにその通り。運動した次の日は必ず誰かに自分の筋肉痛がいかにひどいかというアピールをするようになった。もちろん、こうした日記でもアピールする。恐ろしい。老いた。
 足を引きずりながら選挙会場の小学校に到着。なんか若いカップルとかがやたら多い。ご高齢の方などは若者が選挙にぜんぜんいかないなんつって怒ってたりするけど、全然捨てたもんじゃないすね。若者も真剣である。そのうちCanCamとかで、彼氏と行きたいデートスポットとして選挙会場とか出るんじゃないですかね。「なんか日本の未来を彼氏と一緒に考えてるぞって雰囲気がいいんですよね☆ 23歳 事務職」とかそういうインタビューとかね。あるんじゃないかなあって思うほど若者がいたよ。まあそんなCanCam出たら僕は破りに回るけどね。
 まあ若者に対して理不尽な偏見を抱いて偉そうな態度をとっている昨日の野球の筋肉痛で歩行困難な高齢であるところの僕は、投票用紙を受け取ったものの全然誰に投票したらいいか分からない。札幌の候補者など全然知らない。すると実家の愛知県の候補者なら知っているかと言われれば知らない。なんかこう、自粛ムードとか、ほら、あったから。街頭演説もほとんどなければ、震災の影響でマスコミから情報がでてこないじゃないっすかー。とか心の中で周りの若者に言い訳しつつ、候補者の名前をじっと睨みつける。
 ……いい名前だなこの人。キャバクラで指名する時のノリでこの子にしよっかなーなどと鉛筆を走らせようとしてハッとする。いやいや無責任な。大学時代、「地元の人だから」という極めて微妙な理由で投票するご高齢の方などを馬鹿にしていたじゃないか。「名前がいいから」で投票などしたら、若者に馬鹿にされる。たぶんご高齢の方にも馬鹿にされる。いかんいかん、真剣に選ばねば。iPhoneを取り出し、ネットにイン。候補者の情報をー……とやろうとしたが、いいのかこの行為? 携帯とか出していいんすかね選挙会場って。分からない。なんかこういう公的な場で携帯出すのってかなりダメな気がする。ほら、誰が誰に投票したとかをカメラにとって云々とかいろいろ問題ありそうじゃない? うるさく言う人いそうじゃない。じゃあ詰んだわ。
 僕はすべての投票用紙を白紙にし、ばばんと投票。若者に、「白紙投票が何割かに達したら、その選挙無効になるんだぜ」と背中で言い訳し選挙会場を出る。つぎこそはちゃんと調べていく。つぎはがんばる。何に対してがんばる? 誰と戦っているの僕は? 分からないねえ。偉い先生方になんとかしてもらうしかないねえ。
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ただし魔法は尻から

 お久しぶりの更新なんですがみなさんどうですかね。いやあもう、久しぶりの更新過ぎて文章の書き方とか忘れちゃって云々。そういうのはインターネット的あいさつの定型ですが、たぶんみなさんどうでもよいとお思いでしょう。例えて言うならなんかこう入学式のときに校長が述べる「桜の季節がー、あー、こうー、ね」みたいな時候の挨拶的なアレ。みんな興味がないんですよ。それより貧血で倒れそうな生徒の青白い顔のほうが心配ですよねー。
 近い将来? そのうち? モンスターピアレントなんてもんが流行ってますからねえ。「うちの子、貧血気味なんで入学式を欠席させてください」なんていう親が現れる日も近いんじゃないですか。「時候の挨拶なんてもんは興味がないので言わないでください」だなんて担任の先生に電話がいっちゃった場面を想像しろ。「校長のスピーチの原稿拝見しますねー。あっちゃー、ここ駄目だな。尺長いんでカットしてもらっていいですか? うちの子、貧血持ちなんで」とイベント関係のお仕事で日々ディレクターとプロデューサーと格闘してるモンスターピアレント様なんてものが現われて、さっそうと担任に言い放たれれば担任青い顔。担任どうすりゃいいんだ……と頭を抱えて胃を痛くし、挙句の果てにはモンスターピアレント達に育てられたモンスターヤンキーが教室をめちゃめちゃにするわでテンヤワンヤ。「ただでさえ通常業務で大変なんだから……余計な手間かけさせるんじゃねえよ」とtwitter上で愚痴る担任。けれども不運なことにインターネットに精通した別のピアレント様に露見し大惨事。担任ついに不登校。生徒が利用する学校の掲示板では、「あのセンセーうつ病で学校来れなくなったって。うけるー」なんて心ない女子生徒あたりに書きこまれ担任、血便発動! で精神ぼろぼろです。恐ろしいねえインターネットってのは。
 とか書いてたら虚空におわすモンスターインターネッター様から「興味ないから読まなくてもいいですか」などという電波を受信したので僕、青い顔。すみませんすみません。すみませんと言いながらディスプレイの前の僕は般若のような顔になってます。「むかつくわー、会社でさんざ謝ってんのになんでネット上でも謝んなきゃなんねーんだ。カス読者共」と僕もツイッターで書き込み、さらに……云々書いてて僕自身がどうでもいいと思いだしたのでもうこの話やめていいですか? 貧血持ちなんで。
 挨拶的なものが長くなってしまったんすけど、要するに血便が出たんすよ血便。モンスター様に囲まれた担任も血便でましたけど僕も血便でました。うけるー。
 うけない。なにが原因かって会社という怪物。激務具合が半端ない。そら血が出るんだからね。尻からだよ。人ってさ、鼻以外から血が出たらみんなびっくりすんじゃん。目とか、耳とかから出血したらみんなびっくりするじゃん。学校だったら保健の先生とかも帰れっていうじゃんね。それがあんた、尻ですよ。会社でなんか腹がおかしいなーと思ってトイレにこもったんすけどね、20分ぐらい。最初のうちは便秘かなあなんて考えながら、ウンウン唸って、はあ、でないなあ。このまま出なかったらもう20分ぐらいトイレにこもっても大丈夫だよな。仕事さぼれるゾ、シメシメぐらいに軽ーく考えてたんすけどね。甘かった。あるときある瞬間、不発の排便砲が響いたあとの尻に感ずる悪寒はなんぞ。トイレットペーパーでふきりと一拭き。思わずビクリとなったね。赤い。血が。俺の尻から。
 ただし魔法は尻から出る! なんつってどっかのマンガで言ってましたけどね。異常事態ですよこれは。魔法も血も尻から出たら怖いですよ。
 まあ思えば去年の2月ぐらいから「あと一カ月ぐらいしたら落ち着く」と言われ続け日々深夜残業をこなしてきた。「今月が山」と毎月思い続け、入社時に言われた「うちの部署は波があるから」と言う言葉を頼りに「なかなか谷が来ないなあ」なんつっていつか来るであろう定時退社の続く日々を想像し、がんばって仕事してた。21時に帰れた日は「今日は早く帰れたな。ラッキー」ぐらいに思ってきた。思いこんでいた。この一年ずっとそうしてきた。しかるにここへ来て尻からの出血。もういいんじゃないか? 言っても良いんじゃないのか?  もう十分我慢してきたじゃない。大学時代、勉強が嫌いすぎて週休5日ぐらいしてた僕が、よくここまで頑張りました。言おう。言っちゃおう。仕 事 辞 め た い……
 とでも言おうものなら大騒ぎ。ネット上で悲劇のヒーロー気取りーので、あげくこの不況時に仕事を辞めたいなんて言ったらインタのネッター様たちが殺到ですよ。「辞めないでください!」「つらいのなら辞めて楽になれば?」「がんばれ!」「←がんばってる奴にがんばれって言うなよ」「がんばってないよこの人は。もっと辛い仕事をしてる人だっていっぱいいる」「こんなときに不謹慎だろ」等々、様々な励まし、叱咤がとびかう世の中だと予想。特に、「俺なんかもっとブラックだぞ……だって――」「いやいや私のほうだってちっとも休みがなく――」「休みがあるだけマシ。俺の友達なんて――」という流れになったら訳が分からない。だれが得するか分からない「一番ブラックな人は誰だ」論争なんて起こったら思わずにやりとするのは僕です。誰が一番労働条件が悪いか……翻して見れば誰が一番死に近いかということ。俺のほうが死にそう! あたしのほうが死にそうです! 皆が皆、死に近いアピールをツイッター、mixi、ブログ等で叫ぶ。おめーは恵まれてんだ! やわなこと言うとはったおすぞ! 流れに押し切られる僕。そのうちよりブラック――つまりより死に近いほうが偉いみたいな錯覚を覚えてくる。ぶるり。戦慄。信長は一向宗徒にこの感情をいだいたに違いない。死を恐れていない?
 どうでもよろしい。残業代が出るので特に仕事に不満はない。血のウンコを垂れて、つれー! なんだこの会社は! と思った絶妙のタイミングで残業代が振り込まれるのでとても離れる気にならない。なんかこうDV彼氏となかなか別れられない彼女の心境みたいな。辛いけど、でも暴力振るわれた後はとっても優しいのよみたいな。彼のこと悪く言わないで! みたいな。乙女ですね。
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今日の会話「お互いの彼女」

Y「君の彼女どうかしたの?」
R「え、なにが?」
Y「不覚にもドキッとしてしまったんだが。普段は何も思わないのに」
R「そうか」
Y「もみもみしたい」
R「死んでしまえ」
Y「ぺろぺろしたい」
R「俺が君の彼女の靴下食べたいって言ったら怒るだろ?」
Y「いや、俺も一緒に食べる」
R「そうか」
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パネルでポンプレイ

 この3連休はほとんどEチャソのうちに滞在し、一緒にDVDを観たりご飯を作ってみたりとリアっていたんだけれども、とっても精神がとろけたことがあった。
 というのも、Eチャソと有野の挑戦状などを観ていたら、ファミコンやスーファミがやりたくなった。ので、ボンバーマンやらツインビーやら比較的得意なゲームをちょりちょりやりつつ、ワイワイ楽しむ。ツインビーをクリアしたあたりで、つまんなくなってきたので、あー、なんか他に面白いゲームないかなーとEチャソのゲームボックスをガサゴソやってたらあるゲームが出てきた。
 パネルでポン。
 パズルゲーである。パズルゲーは女子のやるゲーム、ぷよぷよと違って、出てくるキャラもプリキュアチックなものばかりなので、男子小学生時代はむしろこれをやると馬鹿にされるんじゃないかという無意味な偏見によって回避してきたゲームだが、Eチャソが得意だと言うのでちょっと見てみたくなった。ちょっとプレイしてみてよーと、Eチャソにうながしてみると、Eチャソはノリノリでプレイし始めた。
 小慣れた手つきでVSモード、難易度はスーパーハードで一人プレイを開始するEチャソ。小学生時代の偏見の通り、ファンシーなキャラクターによる茶番ストーリーが始まり、やれやれなんて見ていたると、早速コンピュータ VS Eチャソの戦いが始まった。
 震えた。何がってEチャソの操作がまるで人外のソレであった。同じパネルを3つ以上くっつけてパネルを消すという単純なゲームなのだが、もうなんつーかノータイムでパネルを6つ7つくっつけてバカバカ消していく。2連鎖3連鎖もお手の物、何より早い。誇張でなく1秒に一回くらい何かのパネルを消していく。コントローラからギャチチチチチチチチという猛烈な音が聞こえてきて、もはや人間をやめている感じの塩梅である。小学生女子が、「やーん」とか言いながら、チマチマスイーツ等食べながらゆったりとやるゲームかと思ったら、今、画面内のコンピュータとEチャソはボッコンボッコン、ノーガードで殴りあってるボクサーか何かのような風情。さりとて、当のEチャソはと言うと、僕としゃべりながら、あははと涼しい顔。ああ、今Eチャソの脳波測定したらとても興味深い波形になっているのだろうなと思いつつ、人外の動きを観ていた。
 スーパーハードを当然のごとくノーミスでクリアしたEチャソは、僕もやってみるよう勧めてきた。ウズウズ。Eチャソの人外プレイを観ていたらとてもプレイしたくなっていた僕は、まずはルールも知らずになんとなくイージモードでプレイ。Eチャソにコツを教えてもらいながら、キャハハウッフとのんびりプレイ。そう、この感じだった。僕の想像では小学生女子はこんな感じにプレイしていた。ファンシーなパネルでポンの世界観を一切崩さず、平和な空気が流れる。これだよこれ。彼氏彼女のパネルでポンはこういう空間じゃなきゃね。イージモードをクリアし、ノーマルモードを何ステージかクリアした折に、ちょっと今Eチャソと対戦したい衝動に駆られた。イージモードで妖精世界をまがりなりにも救った僕は(そういうストーリー)、ハンデとか設定すれば何とか勝負になるんじゃないかと思ってしまった。Eチャソやってみようよー。と声をかけるとノリノリで快諾。ハンデをこれ以上ないぐらいつけたうえでいざ対戦開始。
 いや、ボッコボコだった。どのくらいボコボコかと言うと、ヤムチャとフリーザが戦ったらこんな感じになるぐらいボコボコだった。僕の4倍ぐらいのスピードでパネルを大量に消していくEチャソの攻撃がボンボコ僕の画面に降ってきて、ひどいときは10秒ぐらいで勝負がつくときがあった。僕が考えてパネルを消しているのに対し、Eチャソは脊髄反射のレベル。熱い鍋を触って「あつっ」って手を引っ込める感触で、オートマチックにパネルを消していく。全然手加減はなく、ごめんねーとか言いながら情け容赦ない攻撃が続けられ、思考停止したまま勝負が終わる。曰くパネポンは手加減が難しいゲームらしく、手加減しようと思ってもつい7個消し3連鎖等を自動的に手がやってしまうらしい。20ゲームぐらいやって、一度もEチャソに攻撃らしい攻撃をしかけられないまま、全敗した。なんだこれ。
 悔しい。ふざけんな。僕とて5歳からファミコンをやる ゲームキチであった。この仕打ちはひどい。せめてうまく手加減をして彼氏を楽しませるべきなのではないか。僕のちっぽけなプライドはズタボロで、泣きたくなってくる。これが僕の彼女。なんて冷血な。もうだめだよ別れよう。
 とはまったく思わず、むしろ人間を超えた操作でガシガシ冷血に攻撃してくる感じが、なんかこう人外の娘に有無を言わさず蹂躙されている感触を受け、攻撃がくるたんびに「ああ! らめぇ!」とビクンビクン心の中が爆発し、性奴隷ならぬパネルでポン奴隷と化してしまっていたので、本当に本当にEチャソの虜になった。とかなんとか言っているうちに、ああ! またパネルが降ってくる! ああああああ。僕の画面がパンパンになっちゃう!! もう入らないよおオオ!! ぴぎいいい!
 ここにおそらく世界初であろう、パネルでポンプレイが発明されたのである。ああ、パネルでポンやりたい。
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