たばこ愛 【チラ裏】

 煙草を吸い始めて一ヶ月くらいになるのだけれど、一日一本という自分ルールは未だ守られており、僕にしては大分自制がきいてるかなという感じがする。
 非喫煙者だったとき。煙草の副流煙が死ぬほどいやだった。周りに煙草の煙が漂ってくると、それだけで別の場所に移動したくなったものだ。というか移動できるときは移動していた。露骨に。
 では煙草を吸うようになってからはどうかというと、別段そのスタンスは変わらなかった。相変わらず副流煙が嫌いだ。つーか吸ってみて思ったのだけど、喫煙者本人が一番副流煙を吸ってる気がする。というか確実に吸ってるだろ。近いし。ものすごく嫌だ。
 そんなわけで、僕は煙草を吸うとき、十分喚起したのち、煙草の風上に自分を置いて吸うよう心がけている。真の喫煙者たるもの、受動煙だろうが、能動煙だろうが構わず吸いこみまくって、肺がんになり、今際の床で「煙草のない人生じゃなくてよかった」と言って雄雄しく死ぬといかにもカッコいい。が、僕のように、極力煙草の先から出る煙を避けていたが、結局肺ガンになって死ぬのは格好が悪すぎる。、そのときは、「フィルターごしの煙しか吸わなかったのに……」という言葉を遺して死んだりすんだろう。もっとも卑屈な喫煙者だと思う。まあどちらも死ぬんだからどっちでもいいっちゃいい。
 そういえば最近、すごい男らしい喫煙者がいた。コンビニのバイト仲間の女の子。ヘビースモーカーである彼女は、タールの軽い煙草じゃまったく吸った気がしない上、朝起きて顔を洗うのと同じくらい煙草が習慣化しているとおっしゃっていた。まあそれだけなら普通のヘビースモーカーなのだが、彼女、「(タールが)6ミリ以下の煙草を吸うときは、フィルターを切ってからじゃないと軽すぎて吸えないっすよー」と可愛らしく笑っていた。僕はそれを聞いたとき、「漢だな」と思わずため息をつき、とても真似できないっつーか真似しちゃいけないっつーか、軽いとか重いとかいう問題じゃないんじゃねっつーか、それって受動煙100%なんじゃないかとかまあ色々思い、最終的には、煙草の良い部分も悪い部分も包み込んじゃうってある意味愛だよなとか思って、副流煙を気にする小さな自分に恥じた僕は、持っていたピアニシモワンをべきべきに折ってゴミ箱に投げ捨てた。これほど愛せる自信はない。人も煙草もね。

One Reply to “たばこ愛 【チラ裏】”

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    愛によって包んでるってよりは、依存性と習慣によって縛られてるんじゃないかなーって思いますよ。

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