「岐阜県関市 ~ 岐阜県郡上八幡」

朝だ。いや、ほんとこの漫画喫茶神懸かってた。シャワーはあるわ、
寝れるわネットはあるわで、ほとんど家にいるようなもんだった。
バカマラソン中に肉欲企画見れるとは思えんかったよマジで。

そんなこんなで2日目、岐阜県関市から出発です。心配された足の疲労も、ないに等しい。
快調に飛ばせるかと思いきや、たいしさんが言った。
「歩こう」
アホかカス! とは言わない。当然のように僕はそれに同意した。なぜって?
なんかさー、さっき漫喫で食ったカレーがさ、暴れてんだよね。胃で。もうギャンギャン。
たいしも同じくさっき食ったものが暴れているらしく走れない。
あったかい寝床で寝、文化的な食事を食べ、そして満腹で歩けない。
バカマラソン史上、これほど過保護な理由で走れないのは初めてです。
今「バカマラソン史上」とか気持ち悪いこと言った。

「あのさ、ゼネラルの看板のさ、「ゼ」のとこから走ろうぜ」
「まじっすかー、「ゼ」っすか~? 「ゼ」は近いっすよー、「ゼ」は」
1回怠慢っぷりが発揮されるとなかなか気力が戻らないのがバカマラソン。
僕らは持ち前の怠慢っぷりを最大限に発揮、
しばらくは歩いて景色を楽しもうと洒落こんだ。やべー、歩き最高。

昨日まで名古屋にいたのが信じられないくらいの田舎っぷりである。
景色はのどかで最高だけれども、僕らの気持ちは次第に落ち込んでいく。
「なんのためにここに」という思いで沈んでいく。

しばらく歩いていると、青看板が見えてきた。次の目的地である郡上八幡まで37キロ。
分かってるか、37キロだ。徒歩で、だ。
「だいたいフルマラソン一本分……か」
「やあ、遠いねえ」
一体この調子で何セットフルマラソン走れば白川に着くのか……
漠然とした不安が二人を支配する――むしろ最初からその不安はあった――が、
ウジウジしてもいられない。昨日よりペースをあげてがんばらなければならない。
僕達は再び走り出した。

ちょっと走ると山道に差し掛かった。
アップダウンのきついこの長いロードを二人はもくもくと走った。
景色が非常にいいが、二人にはだだ長い道が憎くて仕方がない。
きちんと休んだとはいえ、一日目の疲れは走りの随所に現れてくる。
ついに膝が痛み出した。この序盤に膝が。

「新首都 東京から東濃へ」
差し出がましいにもほどがあるこの看板を見ても、二人はノーリアクションであった。
日本の真ん中にあるから東濃が新首都だー、だなんて看板は主張していたが、
おそらくこのキャッチフレーズを考えた者でさえ「無理だわ」と思っていたことであろう。
そこに残るのは単なる恥。例えて言えば
酔っ払ってテンション間違っちゃったときの恥、そんなとこだろうか。
旅人の僕らですら無視、地元住民も無視、発案者ですら無視。
ならばこの看板の意味は一体……?
どうでもいい。今はただただ帰りたい。ここが首都だったら地下鉄とかで帰れるはずだ。
だが地下鉄はおろかビジネスホテルすらない。何が首都か。

数キロ走ったところで限界が見え隠れしたのでロウソンに入った。
ロウソンで塩っ気のある梅干のお菓子、蒲焼さんを購入。
もっしゃもっしゃ食べてそのまま縁石をベットにゴロン。

腹毛が見えてるがまあ気にしない。
そのまま空を見上げるとトンビの鳴き声が「ピー、ヒョロロロロー」
うわあ、すっげえのどか。何が首都か。
縁石で寝てたら、車が駐車してきたのでびびって落ちた。痛い。

ギブアップするにも交通機関がないので走るしかないない。僕らは走り出した。
道行くドライバーたちが、僕らを片目で見ながらニヤリと一笑するのが分かる。
一日目であれば、「今、笑われたぜ。へへ」みたいにたいしと恥ずかしがったりしたのだが、
それすらもうめんどくさくなってきた。歩道が狭くて怖い。

道の右には、温泉宿。これがバカマラソンでなければ、
僕もたいしも喜んで入るとこなのだろうが、これはバカマラソンである。
さぼったおかげで山道で夜になり、野宿するなんてことにもなりかねない。
距離の貯金は多いほうがいい。僕達は目もくれず走った。

ここへきてトンネル出現頻度があがってくる。
このクタクタの状態で空気の悪いトンネルの連続はキツイ。
加えて高低差が激しいので、どんどん膝に負担がたまっていく。
膝の骨が削れていく感じがする。痛い。
また、大腿の筋肉が張り、足が満足に上がらない。
足をひきずるような形でどうにか走っている。
ここで僕はある発見をした。ゴシャゴシャ考えながら走ると疲れる。
何も考えず走ることが一番よいのではなかろうかと。
なので僕は恨みつらみはしばし忘れて無心で走ることに決めた。
視点はずっと前を走るたいしのケツにあわせ、自分の呼吸音のみを聞くことにした。
「シューッシュー、ハッハ」という呼吸音にあわせてたいしの揺れるケツを見る。
シューッシュー、ハッハ。シューッシュー、ハッハ。無心。
単調なリズムと単調なたいしのケツの動き。
次第に走りながら自分がトロンとしてくるのが分かる。催眠走りの誕生である。
実際、催眠走りのおかげでかなり楽に走ることができた。
いや、正確に言うと、疲れを忘れて走ることができた。疲れてた。
夜8時ぐらいになってなんとか郡上八幡の休憩場所に着くと、僕らは死んだように休んだ。
その休憩場所はなかなか秀逸で、食堂もあれば
温泉宿すらあるという至れりつくせりのスポットだった。
食堂に身を落ち着けると、僕はたこ焼き、たいしはウドンと餅を注文。
しばし休むことにした。
するとすぐに食堂の店主が店のシャッターを閉めだす。どうやら閉店のようである。マジか。
そんなことはお構い無しで僕らはゆっくりと食べ続けた。
どうやらこの食堂スペースは24時間あいているらしく、
一応僕らはここにいてもいいようだ。
微妙にあったかいこの場所が24時間開いてるとは……
格好のホームレススポットだな、とか思ったがこんな寒いところにホームレスはいない。
そうこうしてるうちに店主が帰る。たいしのウドンのどんぶりを回収せずに帰る。
どんぶりはどこに返せばいいのかな。
どんぶりは放置して僕らは周囲に休めるところがないか探した。眠いのだ。
実は僕とたいし、今までほとんど寝ていない。
前日の漫画喫茶ではまったく寝ることができなかった。
暖房がうるさすぎたのと、走りすぎて体がクールダウンせず、眠れなかった。
なんか横になってる間、ずっと脈が早かった。体が走る仕様から抜け出せていなかったのだ。
なので寝たい。僕らはここで長期休憩をとるつもりだった。
泊まる、とまではいかないが4時間は寝る。そんなわがままを適えてくれる場所を探した。

あった。ラブホである。男二人でラブホに入る恥ずかしさとか、
そういうのは既に超越していた。
むしろ、ホテルの店員さんに見せつけてやろうぜぐらいの勢いがあった。
僕は店員さんの前でたいしにぴっとりくっついてやる予定だったし、
たいしは「道具とかって貸し出ししてないっすか?」と聞く予定であった。
ストレス解消に店員さんをおちょくりたかった。僕達ゲイでーす。
なのに店員さんは、僕らが入店してもウンともスンとも言わない。
むしろ、誰も対応に出てこない。自動式かと思えば、そうでもない。
確実に店員さん経由で部屋に入らねばならないシステム。なのに店員さんはいない。
不信に思ってホテル内で大声で
「すいませーん、休憩したいんですけどおおおお!」
と叫んでみたら、風呂場から声がした。
「あー、すんません。むこうから勝手に入っといてー!」
店員、風呂に入ってやがる。2時間5千円という微妙に高いとこだったし、
なんか萎えたのでここで休むのはやめた。
そこで近くの温泉宿に行き、休むことにした。泊まるのは勿論無理であったが、
温泉には入れるようだ。しかも深夜0時まで開いているらしく、
4時間の休憩希望の僕らにとっては願ってもない場所だ。
僕らは温泉用具一式を買うと、競って温泉に入った。
温泉はかなり気持ちよかった。筋肉痛にもやはり効くらしく、
僕らはしばし旅の憂いを忘れ、温泉を堪能した。堪能してたら、たいしが急に
「サウナ行ってくる」
とか言ったのでびびった。ここでサウナは意味が分からない。
温泉で軽くマッサージして、ゆったりすると、足の疲れはものすごい勢いで回復した。
若い僕達は、日ごろ温泉の効果など実感することもないだろうが、
このときばかりは温泉の効果を切に実感することができた。温泉はほんとに効く。
なんか温泉に入ったら、俄然旅行気分になってきたので、
韓国式マッサージ(¥2,700)もやってもらった。
片言の韓国人っぽいおばさんに30分ぐりぐりやってもらい、
ますます足の疲労は回復した。インターネットもあったので、
今夜もまた肉欲企画を見た。面白い。
コーヒー牛乳を飲みながら、マッサージチェアに体を沈めていると、
脳内のバカマラソン的自分が語りかけてきた。
「これ、なんて旅行?」
うん、僕もそう思う。バカマラソン楽。白川近い。
言うまでもなく地獄はこれからであった。
二日目: 走行距離 45キロぐらい? 白川郷まで残り 約100キロ?
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バカマラソン3rd ~1日目~ By Y平
いよいよ始まったバカマラソン。
ノリで「白川郷に行こうぜ~」だなんて言っちゃった自分を恨みながらも、
有言実行。これぐらいやらんで、何がブロガーやねん。
ティアラガールブログぶっ潰すという気概でもって、出発した。
「名古屋~白川郷 200キロバカマラソン」の開始です。
「名古屋~一宮市」
たいしが自分から1:30集合とか言ったのに、
「すんません、1:40に着きます」とかいうメールをよこし、
結局2:00に来るという暴挙に出る以外は順調だった。

ちなみに僕の格好はこのようなモコモコ。
氷点下の世界でも十分に耐えうる防寒対策を施してきたつもりだ。
対するたいしはというと、ネルシャツにジーンズというカジュアルなスタイル。
「君、白川なめてんのか」と僕が突っ込むと、
「いやあ、ちゃんとコート持ってきとるってえ」だなんてニヤニヤ。よかった。
しかもなんかダサい靴履いてると思ったら、
この日のために買ったランニングシューズとか言うじゃない。
やっぱたいしはやる男だなと感心しかけたら、たいしがボソリと呟いた。
「今日おろしたやつだけどね」
靴擦れ万歳。
市内は強風が吹いてて肌寒かったが、走ってるうちにジンワリと汗が染み出た。
いいかげん暑くなってきたので僕はコートを脱ぎ、身軽なスタイルに。
脱いだコートがリュックに入らなかったので、リュックにくくりつけたら酷いことになった。

通行人が、「左デカッ!」みたいに笑うのがよく分かる。
つーかそれでなくても、二人ともリュックしょって、
「走ってますよ」オーラを出してるので、市内だとものすごく浮くのな。
一人は左がでかいし、もう一人は靴がダサいしで、
明らかに名古屋にいていい格好じゃなかった。
だもんで信号待ちしてると、ほんとに僕らを見て笑う輩がいる。
車の中から露骨に僕らを見るやつがいる、笑うやつがいる。
ファック、と思いましたねやっぱ。こっちは必死に走ってんだぞと。
てめえら車とか自転車とか乗って恥ずかしくねえのかと。ほんとにブチ切れでした。
なんか腹が立ってきたので、逆に見てるやつをジーっと気持ち悪い顔で
見返してやることにしました。前からケッタで走ってくる青年をジーっと凝視。
笑う暇を与えない凝視。目をそらす青年。目をそらさない僕ら。
伏し目がちに通り過ぎていく青年を見て、
「はっ、ヘタレが」なんて勝ち誇るのが楽しくてたまらない。
まあその横で、車の中から「あいつら何?」みたいに
ニヤニヤ僕らを見てる中年がいたりするんですがね。そんなに可笑しいか。

10キロぐらい走ったところで、僕らの調子も絶好調。トレーニングの甲斐あってか、全然疲れてない。
ももあげとかできちゃうぐらいっす。
そればかりか
「10キロって超楽勝だな」
「な。まだ全然足軽いし」
「考えてみると、200キロっつってもさ。10キロ20セットだと思うと大したことないよな」
「だよな。部活かよって感じ」
「行ける行ける、楽勝だわ」
「白川郷近い」
だなんていう、前衛的な会話が為されるほど僕らは余裕があった。

その後も相変わらず通行人に笑われるなどしながら、
僕らは小粋なトークを楽しみつつコツコツと走った。
だいたい8キロに一度ほど休憩をとり、ズンズン22号線を北上していく。
都市部は景色がつまらんので、走っていてあまり楽しくない。
関係ないけど一宮市はラブホが異常に多かった。
「岐阜県笠松町~関市」

名古屋から走ってくること30キロ以上。ここへ来てようやく愛知県脱出です。
僕らは岐阜県笠松町までやってきました。
まあね、下馬評どおり30キロすぎると割と疲れてきた。
とともに、夜になってきたおかげで精神的に疲れるものがある。
しばらく走ると景色に違和感が出てきた。夜になって景色はほとんど見えないが、
まわりがうっすら山のシルエットで囲まれているのが分かる。
「なんか……山に入ってきてね?」
「俺もそう思う」

ふと横を見やると、そこにおわすはホテル「ふもと」の文字。
ホテルですらこの先が山であることを示している。
やばい、夜に山に入るのはヤバイ。夜の山がいかに危険かを僕らは経験で知っている。
しかし……止まることはできない。まだ40キロ弱しか走っていない。
目的地は白川郷、200キロなのである。
4分の1も来ていないところで一日目を終えるわけにはいけない。
大分疲れてきた足に鞭打って、走る走る。途中、チョコレートやら
SOYJOYやらでカロリーを補給しつつ、人気のなくなってきた岐阜県をひた走る。
するとこのマラソン初めてのトンネルが現れた。正直ひいた。
当然のようにあるそのトンネルにひいた。僕ら徒歩なんすけど……
トンネル内を走るのは予想以上にきつい。なにせ空気が悪い。
長いトンネルでこもりがちの排気ガスが、トンネル中に充満していて、
走っていると非常に息が切れる。
通り過ぎていく車の運転手たちが、「なんで!?」みたいな顔して僕らを見ていくが、
もはやそんなことには構ってられない。
早く抜けたい一心で、いつもより速いペースでひた走る。
800メートル以上という、歩行者には長すぎるトンネルを抜けると、ガクンと疲れがやってきた。
距離にすると名古屋からすでに40キロ強。遅いペースとはいえ、
アップダウンのある山のふもとを走るのは相当きつい。
二人とも段々、口数が減っていき、「何でここにいるんだろう」という思いが膨らんでいく。
この思いが規定値を超えるとギブアップとなる。危険だ。

と、ここで救世主が現れた。漫画喫茶である。
なぜ、こんなところに漫画喫茶が……だなんて思ったけれど、
僕らはためらいもなく入っていった。汗まみれの獣臭い臭いを出しながら入っていった。
ほうほうの体で個室を1つ取ると、二人でシートにぐったりうずくまる。
正直に言おう。グロッキーである。たった40キロ。されど40キロ。
40キロ走って疲れない人間がいようか、いやいない。
これがあと4セット続くと思うと、もはや無理としか言いようがありません。
だれだよ白川近いって言ったヤツ。
「ハンバー……グ……定食……」力ない言葉で店員の姉ちゃんに注文を伝えると、
姉ちゃん、あからさまにひいてる。やめて、そんな目で見ないで。
姉ちゃんがいなくなり虚ろな目で、前にあるテレビをボーっと見ていると、
たいしが何やらゴソゴソしだした。
疲れてるはずなのに何やってんだろ、だなんて見てたら。急に
「プレステ2やろうぜ」
とのお言葉。
負けた。この男には勝てないと思った瞬間だった。
40キロ走ってきてなおプレステ2やれる剛の者、それがたいし。
「三国無双もあったよ」
やりたくない。
ものすごいたいしに絶句しながらも、運ばれてきたハンバーグを無心で食べる。
不味い。これだけ疲れてて不味いってハンバーグってレベルじゃねえぞ。
プリプリしてたら例の店員姉ちゃんがやってきて、
「隣の個室空いてるけどお、使う?」
だなんて言ってきた。なんでタメ口やねん。なめられてる。
そんなわりとダメな満喫で疲れを癒す僕ら。別々の個室に移り、シートで横になる。
しばらくすると、たいしが僕の個室にやってきて、
「疲れに効くクスリあるよ。いる?」
だなんて怪しい錠剤を渡してきた。僕に白い錠剤を手渡すと、
「こっちの黄色い錠剤は僕のだよ……こっちはあげられない。へへへ」
だなんて台詞を残して去っていった。
あいつロッカーだし、たぶんドラッグか何かだと思う。
三時間後、たいしのドラッグが効いたのか疲労はかなり回復した。
足が軽い。まだ走れるぞ。僕らは深夜12時、再び戦場(22号線)へと復帰した。

走っていて思った。まだイケる。全然足軽い。
さらに6キロ走った。寒すぎた。そして疲労云々より、
もはや精神が折れ気味になっている。寝たい。帰りたい。いやだ。
漫画喫茶があったので、ためらいもなく再び入った。
そこは普通に寝れるスペースがあり、シャワーまで完備。
僕らはそこで一夜を過ごすことに決めた。
野宿を決め込んでいた僕らにとって、それは天国のような施設であった。
そして、暖かいシャワーにうたれていると、また「白川超近い」だなんて気持ちになってくる。
もちろんそれは幻想であった。まだ4分の1っすか、まじっすか。
一日目: 走行距離 50キロ弱 白川郷まで残り 約150キロ
地図↓

帰還 By Y平
「Y平さん、生きてますか!?」
「Y平さん、しんじゃやだ!」
「Y平さん、早く更新して!」
だなんてメールが鬼のように来ると思っていたので更新しなかった。
200キロマラソンの道中に野たれ死んでやしないか?
だなんて皆さん方を焦らせたかった。
ほんとに死んだんじゃない? 心配性の読者がそう言えば波紋は一気に広がる。
そういやあ白川で雪崩が起きてたなんてニュース聞いたぞ、
嘘の情報に踊らされる読者もいるやもしれぬ。飛び交う憶測、嘘情報。
コメント欄で大はしゃぎ。ちょっと知った風の輩が得意げな顔で物申す。
「でもmixiにはログインしてたよ」
安堵安心みな笑顔。それでも更新しないよY平さん。次第に広がる不安感。
mixiにログインしてることが、果たして生きてるという証明になりえるだろうか……
あなたは自信を持って言えるだろうか。Y平が生きているだなんて、
誰が証明できようか。不安に駆られてメールするあなた。
「Y平さん、帰ってきてください!」
そのメールを眼前に、自己顕示欲が満たされていくのを確認する俺。
これぞ至高の喜びってやつっす。
だからテクニックでもって、わざと更新しなかったのだけれど、
届くのはリクナビのメールばかりだったので更新した。
そうだった。僕はいつだってそういう人生だった。
とまあ、更新しなかったのは本当に疲れてたから。
つーか、21日に帰ってきて、その足でサークルに向かい、
コンビニのバイトした僕には休む権利ぐらいあると思った。
とりあえず今から詳細を書いてみようかなあ、なんて思います。
おそらく4話構成で全部書き次第、アップする予定です。
ちなみに帰ってきてからずっとくるぶしが腫れてます。すっごい面白い。
では。
アイラブ肉欲 By Y平
ファミコン版「ドラえもん ギガゾンビの逆襲」の音楽をMP3でダウンロードしてたら、
ブログのアクセス数が1700/日とかになってたからびびった。
なんでのん? 俺、なんかしたっけ? 思い出せ。
……確か現実世界では何もしていない。ずっと酒呑んでた。
するてーとウェブ上の俺、文章だけでならなんでも言えらーな状態の、
虚勢で塗りたくられた矮小なウェブ俺が何かした。それだ。
突きつめてみると、正確にはウェブ俺じゃなくて、
「肉欲企画」の肉欲棒太郎さんが何かした。大手ブログの肉欲様が、
恐れ多くも「秀逸日記」として多重人格を紹介してくださったのだ。
うお。何これ。指が、指が震えるよ。尊敬する肉欲さんに僕が……
普段ネットをやらない人達から見たら、
「尊敬する肉欲」だなんてワードは犯罪でしかない。
mixiから流れてくるリアル友人達が、「尊敬する肉欲」などと
訳の分からないことを叫ぶウェブ俺を見たら……と思うとぞっとした。
なので、インターネットではありがちの
「大手に紹介されました自慢」はここらで打ち切りたいと思う。
と、ここまで書いたところで、「インターネットでありがちのって、何?」
みたいなリアル友人の軽蔑交じりの声が脳内に響いてきたので、やはり発狂した。
もともと逃げ場はなかった。僕は「尊敬する肉欲」などと気持ち悪いことを叫び、
ウェブ上でしか生きられない廃人であった。
(以下、上記の文脈から汲み取れる大意)
うおおおお! 肉欲さんに! あの肉欲さんに紹介された! どひゃあー、すげえ!
ありがとう肉欲さん! めっちゃファンです!
のび太と傭兵とか震えました! そんなけじゃなく、レボリューションNO3の出だし、
童話ドラえもんとか桃太郎のパロとか最高です!
いや、あの記事がいいとか挙げるのもバカらしいくらい、
いつも読んで笑わせてもらってます!
常人離れした変態性、語彙の多さ、文章の流麗さ、表現の豊かさ、
どれをとっても尊敬しっぱなしてす!
いっつも肉欲さんみてえなの書きてえなあ、なんて思ってます!
紹介ほんとにありがとです!
(大意終わり)
「のび太と傭兵って何ー?」て言ってるリアル友人の声が脳内に響いたけど無視した。
読んでねーやつは死ね!
さて、そんなウェブの内輪話もそこそこに、
今年もバカマラソンに行ってこようと思います。
バカマラソンっつーのは簡単に説明すると、
名古屋からマラソンで遠くまで行こうっていう企画で、
高校生のころから、相棒のたいし君とともに、関が原、知多半島師崎、
琵琶湖などなど色んなところを走ってきました。
補導されたり凍死しかけたり、楽しいマラソンです。
(詳しくはサイドバーのバカマラソンの記事を見るといいよ)
んで、今年もバカマラソンに行くんですが、目的地はどうするか? そこが問題です。
まあぶっちゃけ適度に遠くて辺鄙なとこならどこでもよかったので、
軽い気持ちで「合掌造り見に行こう」だなんて言ったのね。僕が。
で、今年の目的地は「岐阜県白川郷」に決まりと。
ところがねー、ぶっちゃけ甘く見てた。「白川郷」マジきびしかった。
地理に疎い僕は、白川郷っつっても岐阜駅のちょっと北ぐらいにあるだろー、
みたいに思ってたんだけど、世界違ったね。めっちゃ遠かったわ。
まあ言っちゃうと、名古屋駅(スタート)から200キロぐらいあった。
200キロ。どゆこと? あなた200キロ走れる? 僕走れない。
最近、トレーニングと称して毎日8キロ走ってたのですが、
そんなもんは何の足しにもなりません。つか8キロでもわりと疲れてたし。
加えて、暖冬暖冬叫ばれてきた昨今、今週に限って寒波とか雨とかが
一斉にきやがりましてメチャメチャ寒い。基本マラソン中は寝袋かぶって野宿なのですが、
こんな中野宿したら凍死します。どうしましょ?
まあでも行くって言っちゃったから行かねばなるまい。
日程は今日から3日の予定。帰ってきたらなるべく早く更新します。
僕がいない間はサイドバーの過去のバカマラソン記事でも
読みながら待っててください。(今とノリが違うので違和感を覚えます)
それでは。
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勧誘 By Y平
大学のな、カツ丼がな、うまいのよ。だもんでその日もカツ丼食ってた。
441円。割り箸で、かきこむようにして食う。美味。うちのカツ丼とは段違いっす。
そんな至福のタイムを送ってたときだ。颯爽と隣の席に腰を下ろす男性二人組。
「すいませーん」
だまれ。
「あのー、お食事中すいませーん」
カツ丼食いたい。
「はいはい? 何でしょう?」
僕は嫌悪感を顔に出さずに答える。
「あのですねー、僕達のゼミで「いじめ自殺について」のセミナーをやるんですけどお」
いじめ自殺、最近のもっぱらのトレンドですね。社会問題を論じるセミナー、
就活にも役立つんじゃないかな? 知らんけど。
「今、いじめ自殺ってひどいじゃないですか? あっちこっちで自殺自殺。
ところで、今日本で年間どれだけの人が自殺してるか知ってますか?」
あー、どーでもいい……と思わせるのは、僕の目の前にカツ丼があるが故です。
誰が悪い、とかじゃない。カツ丼が悪い。
「あー……ちょっとぉ、分かんないっすねえ」
バカっぽく答える僕に対し、一瞬浮かぶ、蔑みの目。
「実はですね~、年間3万5千人も死んでるんですねー」
「はあ、そんなにですかあ」
バカを相手にするのは楽だぜ。男の目は語っている。
「それじゃあ、交通事故で死ぬ人は一体いくらだと思います?」
あー、しらね。つかカツ丼食っていい? とは言えないのが
日本人である僕の長所であり短所。
「ああ~、それもちょっと分からないかもですう~」
バカを演じるのは楽です。男はほんの一瞬ニヤリとすると、
更に論調を高めていく。
「なんと7千人。実は自殺者って、交通事故で死ぬ人より多いんですねー。」
「まじっすかー」
カツ丼食いたい。もういいや、食っちゃえ。バクバク。
「(え? こいつカツ丼食い始めたよ。)んでですねー、
こんなに自殺が起こるのはあなたは何でだと思いますか?」
「クチャクチャ……それは、もぐもぐ、分からない、
クッチャクッチャ、ですねえ、むぐ……いろいろあるし」
「(つかどうでもいいけどネギくせえー)私はやはり、
生きる目的がないから。それに尽きると思います。」
「クチャクチャ、ですねー」
「あなたの身近な人が、家族とか、友達とか、恋人とかが!(ここは強調だぜ!)
生きる目的がないっていう理由で、自殺しようとしたら。
あなたはどうしますか? 止められますか?」
「もぐもぐ、まあやめろーって言うしかないっすよー」
「ですよね。あまり分からないですよね(こいつバカじゃね?)。
そこでですね、我々は、その生き方、人生においての
生きる目的を考えたいと思いまして……」
まあ、じっと我慢してバカっぽく振舞ってきたんだけども、
ここへ来て笑いをこらえるのが大変でした。
ここらでちょっとだけ、ちょっとだけ反撃してもいいんじゃないかな?
「え? いじめ自殺がテーマじゃなくて、生きる目的がテーマなんすか?」
いじめ自殺を論じるんだし、どーせ自殺者あんなに多いのに、いじめによる自殺は0人なんだぜ?
っていう腐るほど聞いてきた論調に持っていくのかと思いきや、そこからいきなり180°転回。
生きる目的にまで持ってける豪胆さに、思わず笑いが……
「え? いや、いや? その、いじめ自殺を通してですね、生き方をね……」
へえ、いじめ自殺と生きる目的がなくてする自殺を混同しちゃうのかー。それっていいんだねー。
いままで学校側からいじめによる自殺の報告が0なのは、こういうカラクリですか。
「自殺の原因は何でしょうか!? 校長! 校長! パシャパシャ!」
「あの子は生きる目的がないと嘆いておりまして、おそらくそれが原因で……」
「なるほどー」無理だー。
「えっと……んでですね、僕達それについてセミナーを開くんですけど、
そういう分野って興味ありますか?」
「そういう分野って、どういう分野ですか? いじめ自殺についてか、
生きる目的がなくてする自殺についてか、はたまた単に生きる目的についてか」
「……えっと、ですねえ」
「すんません、全然興味ありません。すんませんすんません。」
「あ、はい……お食事中失礼しました~」
「はいー」
……すげえ気持ちいい。ちょうどこのときはテスト期間だったもので、
いい気分転換になりました。
がんばって一人でもセミナーに来てくれるといいのになー(乾いた口調)。
と、ここまでなら単なる、「僕ってしっかりしてるんだぜ?」自慢でしかないのですが、
これで終わってたらガックリです。まだ続く。
どうみても論点がすり返られてる二人を追い返すと、僕は食堂を出、
外のベンチでテスト勉強にいそしみます。冬とは思えないうららかな陽気。
そこで勉強する俺はかっこいい。
僕がそう思ったか思わなかったかはあなたの想像力にゆだねるとしましょう。
そんな知的な僕が勉強してたら、おもむろにベンチに近づいてくるオヤジあり。
満面の嘘笑顔を塗りたくった顔でクリアファイル片手に近づいてくる。
接近に気づき教科書で顔を隠す僕。寄ってくるオヤジ。目をあわせたらやられる。
伏し目度アップ僕。寄ってくるオヤジ。やめろ。やめろ。
「すいませーん、私サークルの活動でぇ、アンケートを行っておりましてえ」
あちゃー、またですよ。そんなに僕は話しかけやすいんでしょうか?
(この場合の話しかけやすさはむしろマイナスイメージを孕んでいる)
「2、3質問にお答えいただけませんかあ?」
うぜ。邪魔。テスト勉強してるの分かるだろ。
「ああ……はいはい」
目が笑ってない僕に気づいてんのか気づいてないのか……
オヤジはニコニコ顔を浮かべながら、僕の横に座る(妙に近い!)。
そしてクリアファイルから、アンケート用紙を取り出し、僕に見せてくる。
「まずですね、最初の質問はこちらです」
え~っと何々?
<日本では、年間どれだけの人が自殺しているでしょうか?>
これには笑いを禁じえなかった、いや、ぶっちゃけ笑った。ブホッ! て笑ってしまった。
なんでここで笑うのん? だなんて一瞬キレ顔を浮かべるオヤジ。いや、待てオヤジよ。
必死に笑いをこらえる僕。これはまさか……
「えと、えっとですねえ……ブフ! 3万……3万5千人ですよ……ね?」
「おお~、あなたよく知ってるじゃないですかあ! そんじゃあこちらはどうですか?」
オヤジがアンケート用紙をめくる。そこに出てきたのは
<年間の交通事故死の人数は?>
噴出してしまった。思わずゴフゥって、めっちゃ笑ってしまった。知らないはずはない。
知ってるからちゃんとお答えしなきゃ。それが最低限の礼儀……ブホッ!! 死ぬ!
「ぶふっ! はは、えっとっすねえ。7千人でしたっけ?」
「正解だあ! いやあ、あなたすごいですねえ。ちゃんと社会のこと分かってらっしゃる!
ちなみに今何年生なんですか?」
「はあ……グフ……三年生です」
「さすが! 三年生ともなれば就職とか気にしだしますものねえ。いや、立派だ!」
アンケートなのに回答をメモしてないとか、
お前いくつまでサークルやる気なんだよとか色々突っ込みどころはあるけど、なにより……
「あ、そういえば、サークルのアンケートって言ってましたけど、
一体何のサークルなんですかあ?」
「哲学サークルですぅ」
ゼミだったはずでは?
やあ、笑えた。このオヤジの滑稽さといったらなかった。
僕は何もこういう人たち全般が怪しいなあだなんて微塵も思っちゃいない。
論理がしっかりしていて、自分の興味をそそり、素性の明らかな団体なら
至極真面目に接したのだけれど、
ゼミだったりサークルだったり(それにしても哲学サークルとはうまいことを言う)、
いじめ自殺だったり生き方だったりホイホイ変わっちゃうような団体さん相手に
真面目になれって、それは無理な話じゃないすか?
「あのー、ぶっちゃけさっきも同じことを聞かれたんすけど……」
つかゼミだったんですけど。とは言っちゃいけないような気がしたので言わなかった。
もう少しこの人たちの話を聞きたい。どんな展開を見せるのか知りたい。僕は我慢した。
「ああ~! じゃあちょうどいいです! 早速本題に入りましょうかね!」
「じゃあちょうどいい!」ってどんなご病気の持ち主だよ、
僕の話聞いてた? と思ったけど、ここも我慢して聞く。
聞きたいんだ。あなたの情熱を感じたい。すぐ突っぱねるなんて勿体無い!
「君もね、就職して、会社の歯車として働くわけになるんですがね。
どうです? 来る日も来る日も仕事仕事。そんな生活を想像してみて?」
歯車って決め付けられた! びびる! この人すごい!
「いやですよねえ。なんの目的もなく生きる……
そんな無為な生活がこれからあなたを待っているわけですよ。どうです?」
また決め付けられた! もう駄目だ! おおおおお!
待て……Be cool 俺。もっと引き付けろ!
「やはり生きる目的! これがないとこれからやっていけないわけです」
もっと! もっとだ! カモナップ!
「あなたはこれからの人生、生きる目的も何もなく、来る日も来る日も無為な生活を……」
ああああああああああおおおおおおおおおううううううう! も、だめだ
「別にそれでいいです。無為でいいです。つか大半の人がそうなんじゃないですかね?
そして実はあなたも。でも、そこを気にするのは気になる人だけであって、
僕は気にならないからいいです。無為っていうか、僕にとって目下、
一番大事なのは明日のテストです。分かりますよね? 意味」
オヤジは馬鹿そうな僕からそれを聞くと、なんかもう誰が見ても分かるくらいキレて帰っていった。
露骨にキレて帰っていくオヤジを見て、
やっぱりオヤジも生きる目的が見つかってないんだろうな、
だなんて思うのは感傷だったろうか。あはー
(今回の記事には特定の宗教・団体を誹謗中傷する意図は一切含まれていません)
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