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ヒゲ、濃いんじゃね？
一年前のある朝、僕は鏡に映った自分を見ながら唐突にそう思ったのです。
なんかもーヒゲの伸びが早い。一途、気を抜いて、ヒゲをそらなかったりすると、
たちまちおっさん化する。いや、やばいっしょこれ。
高校の頃、そんじょそこらのサンドペーパーより削れそうなヒゲをたくわえた、物理の先生の姿を見て、
ただ単純に「きも。」とか思ってたというのに、いまやその先生を笑えなくなるほど
事態は深刻化しておる。ゆゆしき事態や。
ダンディハウス行く？　それも考えた。
二万ぐらい払えば一ヶ月くらいは生えてこぬよう、取り計らってくれるやもしれん。
でもよく考えて？　月１回、脱毛のために二万円。
でかい、でかいよこれは。学生が払える額じゃねえよ。
さりとて、この気持ち悪いヒゲを放置しておくのもいささか気分が悪い。
ヒゲがなくなったとしても、別段イケメンに変身するわけでもない。
しかしヒゲがあるおかげで、キモイ顔が更にキモクなっていることは、覆しようもない事実だ。
事実から逃げるな。抗おう。抗ってみせる！
僕はヒゲを失くすべく、精一杯の努力を試みた。
得意のエロサイト巡りも手につかないほど、思索に耽ってはあの手この手の方法を用いてみた。
だが結局は月二万を出さねば状況を打開しえないことに気づき、愕然とするのだった。
「もう死ぬしか……」
自殺用に常に携帯している醤油の一升瓶をおもむろに取り出す僕。
今生きている事実を噛み締めるかのように、恭しく蓋を空けると、
嗅ぎ慣れた醤油のスメルが僕の鼻腔をツンと突いてきた。
「何度これを飲んで死のうと思ったか……でも今回ばかりは……」
最期のセリフは嗚咽でもはや言葉にならなかったが、
Y平の顔つきは既に死を覚悟している者のそれであった。
世の中に対する諦め、悔しさ、そして解放されることへの安息。
さまざまな感情が入り混じった、しかしどことなく潔い顔であった。
後の世で天下人となった徳川家康はこの男の最期を見てこう語ったと言う。
世界広しと言えども、あの者ほどもののふらしいもののふを、未だ見ず。
まこと日の本一のもののふなり。
と。　～徳川家史書「駿府記」より
「神よ、仏よ！我が華麗なる最期とくと御照覧あれ！！」
目を見開き、男は体全体を使って一気に醤油を口に流し込もうとした。
そのときだった。


ヒゲ・ムダ毛の悩みは解消できます！！
５αシリーズ！！
最初は半信半疑でした。でも使っていくうちに目に見えてヒゲが
減ってきて。今まで一日五回だった髭剃りの回数も今では三日に１回に！
いつも妻に、ヒゲが気持ち悪いだとか言われてましたが、
もうキモイだなんて言わせません！逝かせまくりです！！
３５歳会社員
とにかくすごい！！サンドペーパーのようなヒゲ面だった僕も
塗ったとたんに山下くんのようなツルツル肌へと変身です！
パソコンしか友達のいない僕でしたが、今ではそのおかげで念願の彼女もゲット☆
背も伸びたし、なぜか筋肉もつきました！
ちなみに来秋、彼女との結婚が決まっていて幸せの絶頂です。
５αシリーズに本当に感謝していマス☆
２７歳　フリーター
（ユーザーの声は実際のものとは異なります）
これしかない！！！
もうこれしかないと思ったのです。ダンディハウスに行く金も、度胸もなく、
でもヒゲは失くしたい。そんな我儘な要求に応じてくれるのが
この５αシリーズでした。すぐさま７１４０円をバイト代から抜き出し
携帯から即座に注文をしたのは言うまでもありません。
２１歳　人形劇師大学生
数日後、中身が見えないよう加工してある一つの箱が届いた。
僕はそれを母親の手からぶんどるようにして手に取ると、
即座に２階にあがり自分の部屋で開封してみた。


やった……
これでヒゲ面ともおさらばだ。
長い間このヒゲのせいで彼女ができなかった。
そう、全てはこのヒゲのせい。
浪人したのも彼女ができないのもチェリ平だったのもこのせいだ！！
だがもう違う。このヒゲさえなければ、ヒゲさえなければ僕だって
山下君に見えてくる。遠くから見れば山下君に見えてくる。
菊間アナとだってお酒をガンガン飲めるし、居酒屋の店員とかもぶん殴りまくり。
野ブタ。で堀北真希と共演。もう共演っつーかセックス！！
はっはっは、勝った。僕は人生に勝った。
僕－ヒゲ　＝　堀北真希とセックス
きっとこの方程式が成立してしまった僕は、
その日からモテモテ！！
堀北真希だけじゃなく、全国各地津々浦々からのラブオファー。
チンコの乾く暇もありません！！！
困る！まっこと困る！！
そんないっぺんに相手できんっつの！
順番待ちしろっつの☆　このアバズレ共！！
三ヶ月後―
ヒゲ面を鏡に映しながら、僕は怒りに打ち震えた表情で仁王立ちをしていた。
これは何だ？　夢かまことか……？
俺は悪い夢でも見ているというのか？
全然効きやしねえ！！！！　何が２週間で効果がではじめるだよあのカス会社！！
おまけになんだ！？　ああ！？　定価７１４０円ってどんな了見だ！？
効かないローション……いや、むしろあれぶっちゃけタダの糊だべ！？
そんな糊を７１４０円で学生に売るってどんなカスやねん！！
殺す！！あの会社の社員全員、コンクリと共にドラム缶に詰めて、伊勢湾に沈めてやる！！
バイオレンスなことを考えながら、件の会社「ゼロファクター」と
ジ・ハードを開始すべく、鈍器を片手に会社の住所を調べていたところ
ゼロファクターからこういった手紙が届いた。
ゴールド会員様だけにお教えする、
ゼロファクターの新商品！！
５αシリーズ・プラチナ！！
ノーマルの５αシリーズでも治らなかった
ヒゲの悩みを解消します！
ぶっちゃけ、怪しいと思ったんですよ。でもね、効くっつーんで
試してみたかった。このヒゲがなければ山下ですからね。
そりゃ山下になれるんなら、プラチナだろうが何だろうが
買ってやりますよ。
２１歳　人形劇師大学生
僕はその手紙が届いた日、すぐさまバイト代１７８００円を抜き出し
携帯から即座に注文した。
いや、なんたってプラチナですからね、プラチナ！
白金ですよ！！白金！！　分かる？　Ptなんだぜ！？
そんなもん効かないほうがどうかしてますよ！
ノーマルが効かなかった方のために、
１７８００円という更に高額のローションを売りつける。
いや、これ一見悪意がぷんぷんする売り方ですけどもね、
それはユーザーの方への思いやりってもんですよ！
だってノーマルで効く人も確かにいますもんね。
そんなノーマルで事足りる人たちに、
わざわざ１７８００円なんていうローションを売りつけるわけには
いきませんて。
だからまずノーマルで試してもらって、次にプラチナ。
この流れはユーザーのことを第一に考えた、セロファクターならではの
売り方ですよ！ラブ。愛してるゼロファクター。
これで僕は堀北真希とのセックス人生確定です。
堀北真希だけじゃ収まらず、小西真奈美や井上和香、
相武紗季もゆりんも全て僕の妻確定！
日本にいながら一夫多妻制をつらぬく山下似のヒゲなし男。
２年後くらいにそんなニュースが出たら、
僕だと思っといてくださいｗ　ひゃっほううういｗｗｗ
三ヵ月後―
ジ・ハードの開戦や！！
↓効くはずねえだろボケエエエエェェ！！
↓ゼロファクター社員みんな殺してやる（投票）


順位のびのび５６位☆

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不思議なのは、ググッてもプラチナシリーズの情報はまったくなかったこと。
あれ買ったの日本で僕一人だけなのかもしれないねｗｗ
おい誰か醤油よこせ

投票数、バカ伸び。
いやあ、ほんとなんだこれ？　訪問者数的にはアクティブ日記んときの
半分以下ぐらいになってんのに、投票の伸び具合は半端ねえ。
やっぱり最近ランキングランキングと、
いやしき守銭奴（守票奴？）の如くアピールを続けてきたからかね。
とにもかくにも、今日も今日とてやってきましたY平ちゃんでーす☆
課題をやりつつ、現在夜中の２時！
ブログを更新しております。イエイ♪死にたい♪
さて、前述の通りランキングが妙に好調ですたい。
当然、ランキングが好調だということは、１位だって狙えるんじゃね？
と勘違いし始めるのがこの時期でして。
そしてさらにその勢いに乗じて、１位になったら、
この僕、Y平がカリスマ女子大生ブロガーはあちゅうに告白するという、
まっこと金正日的状況となっているのが、最近の多重人格の情勢であります。
一方、その美貌と知性はすべての男をM男へと変える魔性、
それでいて清廉、純潔。小悪魔とか他の半端女子大生共が言ってるのが
バカらしくなるほどの正真正銘の小悪魔、かつ僕の心の天使である、
はあちゅう嬢の近況はと言えば、なんと！ななんと！
ヤプログのラブログチャンネルとか言う、
なんとも濃ゆそうなサイトで公式ブログ化しておりました！！！！
いや！！！すごい！！！！　イマイチ公式化する意味とか判然としないけど。
すげえ！！！　それを聞いて、はあちゅう大好きの僕達愚民はコロリと逝っちゃいますよ！！！
公式化する意味分からんけど。
ぶっちゃけ、公式非公式の線引きって何ね？　ヤプログあほか。
とか思ってるのが正直なところなんですが、
まあそういうこと言うと、はあちゅう主義。な熱狂的読者さんにぶっ刺される可能性大なので、
僕もバカみたいに喜んでおきますか。
ともかくすごい！！！公式化オメデトウ♪　やったねはあちゅう☆
藤田社長の横に載ってるなんて大出世だヨ☆☆
しかーし、こちらとしては素直に喜んでいられない気持ちも増える一方なのです。
ほら、相手がすごすぎると、恋愛するのも尻ごんでしまうじゃないですか。
先輩が大好きだけど……でもでも、先輩は全国大会に行っちゃうようなすごい人なのよ。
私みたいなブスじゃ……無理だモン（；；）みたいな。
非常に乙女チックな心境に僕もなっちゃってるわけですよ。
しかーし、よく考えてみろ。電車男がなぜ流行った？
あれは、ダメ男が美人とチョイチョイするというギャップが引き金になって流行ったはずだ。
そう、男女間の差は広がれば広がるほどいい。
いくら僕がパジャマで平気で大学行くようなダサ坊でも、
最期に心がつながれば、外見を超えた深いところでつながれば、きっと大丈夫。
（今、全国の恋に悩める男女を性交……じゃない成功へと導く名言を放ったと自負しております。）
ということで、僕ははあちゅうが例えラブログに入ろうが、北朝鮮に入ろうが、
必ずストーキングして告白する気満々なのですが、ここで問題が生じてきます。
いかにして告白するか？
そりゃそうだ、何せはあちゅう。藤田社長のブログの横に並んでいるほどのやり手。
並大抵の告白の仕方じゃ満足はしないでしょう。
「あの……あなたが、好きです」
こーーーーんなインポテンツな告白じゃあ全然ダメなわけで、
もっとこうはあちゅうの心をがっちり掴むやり方。
むしろ悪い印象を与えるぐらいで丁度いい。
げに恐ろしきははあちゅうの記憶に残らないことじゃんな。
そうすると、全身これチンコな僕は、出会い頭にはあちゅうの胸を鷲掴みにし、
「がっちり掴んだぞ～～～！！」
と叫ぶぐらいの行動しか浮かばないのですが、
んなことやったら、気の強いはあちゅうにボッコボコにされるし、
取り巻きの自称小悪魔女子大生あたりにスタンガンとかで
パッチンコやられるに相違ありませぬ。（それはそれでいいな）
そうなると、前述の通り
「あなたのことが……とぅきだからぁ！！」
とか最低限工夫しても、韓流っぽい言い方にしたノーマルな告白しかないわけで。
そもそも初対面で告るとか正気の沙汰とは思えないのが正直な話なんだけど、まあ約束だからね。
というわけで、多重人格が１位……いや、５位以内に入ったら
はあちゅうに会いに東京に行ってきます。
走って。
↓バカマラソンはあちゅう編が始まるかどうかは君の投票次第（投票）

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ランキング５９位！！　あと５４人！！あと５４人！！（先はなげえ）

やっちゃった！！！
いや、「やっちゃった！！」って言っても、
別に童で貞な状態を脱却したとかそういう俗っぽい「やっちゃった」ではなく、
いわゆる「失敗した」という意味あいが強い「やっちゃった！！」である。
さあ何がやっちゃったって言うと、
言わずもがなこの前の記事がやっちゃった！！わけです。
いくらなんでも下ネタを使いすぎた。ほんと。
破滅症の僕は、
「ここで僕が狂ってみたら読者の人はどう反応するんだろう？　
やっぱ、今まで築き上げた信頼が一気に崩れちゃうのカナ？？　
あああ……そんなん……そんなん困るうぅ！！！困るよう！！！！
ひぎいいい！！……ぞくぞく」
といった感じに、一人身もだえし、周りが見えていなかったのです。
冷静になった今、件の記事を見返してみると、あなおそろしや。
セックスという低俗極まりない単語を実に１６回も使うという
なんともインサイダー取引な状況になっておりまして、ほんと愕然としたね。
こんなん夜に一人で書いてたんだからほんとやべーよ。
死にたい、死にたいよう！！！　リストカットさせてえええ！！！
まあそんなわけで、ランキングもついに６０位台にのるという好調ぶりを見せておるわい。
ほんとみんなありがとうな！！
って、そう！！！そうなんだよ！！！ランキング６０位台なんよ６０位！！
はっきり言ってこっからが修羅場よこのランキングは！
５００位ぐらいだった昔は、自分が投じた１票で
ランキングが２０位ぐらい上がったりするのが常だったんだけども、
もうそんなこともいかんくなるのが、このぐらいの順位。
過去Y平のアクティブ日記というとこでブログをやってたときも
こっからが全然上がらなかった。
なんかもう、上位陣の方達はほんとすごい。
先天的な才能の差を感じざる負えない。
高学歴だったり、ミスキャンだったりはあちゅうだったりと、
なんらかのブランドを持たないとやっていけない世界っすよ。
それかイケメンか美人かエロか。みたいな。
かたや僕達多重人格のメンバー。
はっきり言って上位陣の方達と比べれば
エビちゃんとニートぐらいの差があるということは、曲げようもない事実。
一応メンバーのスペックを今ここで確認しておこう。
DAI君　：　イケメン　九州
ぶんぶん君　：　イケメン　九州
Y平　：　変態　名古屋
うむ、今確認してみるとそれほど悪いスペックではなさそうだが、
それでも見劣りする感は否めない。
さあどうするか……
僕は悩んだあげく、イケメン二人にこう指示を出すのだ。
「脱げ。」
と。
DAI君は乙女のように顔を赤らめ、恥じらいながらこう言うだろう。
DAI「だめです……ダメ。とてもできない。」
僕はその言葉を聞いて、憤懣やるかたない思いにつつまれる。
長身のDAI君を突き飛ばし、やおら馬乗りにのしかかると、
その豊満な胸をぐりりと鷲掴みにしながらドスの効いた声でこう言う。
Y平「パンツははかしといてやるわ。　なあええやろ？
減るもんじゃない。はよ見せえ。アイドルになりたいんちゃうんか？」
DAI子はY平の強靭な筋肉によって身を拘束され、
震える声―もはや息だけのか細い声だが―で目を潤ませながら懇願する。
DAI子「監督……できません……」
バシ！！！ボゴ！！！
ぶんぶん子「もうやめて！！　監督はいつもそう！
結局私達のことなんて何にも考えてない！！鬼！！　人非人！！」
Y平「だまってろこのアバズレがあ！！！」
バシ！！
ぶんぶん子「きゃん！！」
っていう文章を気づいたら書いてて、もう大分末期だと思った。
僕ってのは波がある子でして、今はちょうど絶不調のときみたい。
今からがランキングの大変なときなのに、
このタイミングの悪さは絶妙ですたい。
Y平ロードにでも行ってネタ考えてきます。
今日は手抜きでごめんよリストカット！
↓ぶんぶん子はなんか語呂がいい（投票）

いや、まぁそりゃ抜かれるわな。
そりゃ、手を抜いたら抜かれるわ。手を抜いたら。
「手を抜いてみました。」じゃねぇよ。俺。
どんな紹介だ。
なにこの
「今日はコカコーラじゃなくてペプシ飲んでみました。」
みたいなどうでもいい紹介文。
↓クリックして早くY平君をがけっぷちへ（笑

ウチの大学の学祭をうろついていたら、不意に昔入っていたテニスサークルの模擬店に出くわした。
なつかしい面々。人形劇サークルなんぞにうつつを抜かし、
すっかり幽霊と化した僕を暖かく迎えてくれる一同に、ひどく心打たれた。
感動したので、調子にのってクレープを二つも買った。
いや、嘘。買わされた。畜生。二つは多いわ。
まあ僕がぼられた話はどうでもいいんだけども、
その模擬店で、ある女の子メンバーがこんなことを言い出した。
「ブログ見てるよ」
そうかブログ見てるのか、いまだに見てくれてるなんて嬉しいなあ。にょほほほほ。
と思うと同時に、僕はひどく戦慄した。
だって考えてもみてよ？　こんな下ネタ記事を知り合い、
しかも女の子に見られてるんだぜ？
そういえば、ない頭をフル回転させて思い起こしてみるに、僕が書いてるブログの読者には、
多数のリアル知人が含まれている。その中には当然女の子も入っているわけで（バイトの女の子とか）、
よく考えたら下ネタ記事を書き続けるのって、ものすごく危険なんでない？
このまま下ネタを書き続けると、実生活で不意にその女性達に出くわしたときに、
「白い目で見られる」
「触らないでこの変態と罵られる」
「ネットを使った大規模なセクシャルハラスメントとして法廷から出頭命令がくだされる」
等々の弊害が起こる可能性大であります。
やべーよ、ブラジル人セックス！！とか叫んでる場合じゃねえよ。
つーか考えに考えてみれば、知り合いが見ているというファクターは、
ブログを書くにあたって大きな障害となりうることに最近気づいた。
例えば、だ。
僕が今日一日ずっと「セックスしてえ」と考えていたとしよう。
しかもその思いたるや尋常ではなく、
例えばもし、金正日の前で、裸になった小西真奈美が潤んだ瞳で僕を見ているとする。
金正日は言う
「その女とセックスをしたくば好きにするがいい。
だが、お前のアルトリコーダーがブラックホールに吸い込まれたが最期、
核兵器を日本に向かって発射する。」
そういう取引があったとしたら、僕は迷わず金正日を殴る。
殴って核兵器のスイッチを奪い、
「迎撃できるもんなら迎撃してみなーKOIZUMI！」とか言いながら
核兵器を発射。余計なしがらみは自らなくし、真奈美との蜜月の時を永遠に過ごす。
そんぐらいの思いで「セックスしてえ」と考えているとする。
当然、それぐらい切実な思いなんてのはいわゆる格好の「ブログのネタ」ってやつだ。
僕はブログ上に自分の思いを素直にこうつづる。
今日はずっとセックスがしたいと思っていた。
危険！あまりに危険！このままこの文章をネット上で公開したら、
もともと少なかった僕の女友達ってやつは、あとかたもなく消え失せ、
前述のテニスサークル内でも「あいつキモイ上に変態」みたいなレッテルを貼られ、
もう二度と絡まれることはなくなるであろう。
そこで僕は一つ工夫をする。「セックス」という直接的な単語が
皆の誤解を大きくさせることは分かっている。
ここはいかに、俗っぽい理由ではなく、
極めて真面目にセックスがしたいことをアピールするために原文をこう直す。
今日はずっと性行為がしたいと思っていた。
性行為なんていう、保健体育の教科書に載ってそうな
キチンとした漢字表記に直したことで、だいぶ俗っぽさが抜けた。
よし、これで大丈夫。僕はマウスを動かすと、自信満々の目つきで更新ボタンを押そうとする。
だが時間が経つにつれて、僕の胸の内に釈然としない思いが膨らむのを感じるのだ。
いかん、性行為って文字はなんか固い。印象がめっちゃ固い。
僕の書く記事は若者向け、もっとファンキーモンキーな感じが出なきゃならないというのに、
なんだ性行為って。
だめだだめだあ！！やっぱりセックス級の単語にしないとファンキーさは出せやしねえ。
するともう一人の僕が脳内に割って入る。
「でもそれだと女友達にひかれちまうんだぜ？」
僕はもう一人の僕に向かって
「そんなことは分かっている！」
と声高に叫ぶ。
はあ、どうすれば？　
いったいどうすればいい？　
セックスに匹敵するほどのファンキーさをもち、
それでいて女性読者が許してくれるであろう、適度なレベルの単語。
僕はしばらく頭を抱え込み、突如、
パソコンを前にして銃で撃ち抜かれたかのようにして勢いよく机に突っ伏した。
そして永遠とも思われるほどの長い時間が流れた。
しかし二度と起き上がることはないのだろうかと思われた僕の体は、
気づくといつのまにかまたデスクトップの正面に向き直っており、
指が勝手にキーボード上を踊りはじめる。
ディスプレイにはこう文章が打ち出された。
今日はずっとおセックスがしたいと思っていた。
完璧。しびれるほどの流麗さ。「お」をつけることによって、
セックスというアウトローな単語が一気にその荘厳さを増大させたのだ。
と同時に、「お」をつければ何でも敬語っぽくなるんじゃね？
というクレイジーアワーな言語観をお持ちの最近の若者達に対するアンチテーゼを示すという、
Y平さんならではの美文。お万能だよおセックスは。
しかし、しかしだよ？
これではまだ自分の内なる肉欲をさらけ出せたとは言えんのだよ。君。
考えてもみたまえ。僕は２１歳という若さ、かつ童または貞みたいな人間。
そんな人間の肉欲だなんて、狂気染みた雰囲気でいっぱいであるべきではないかね？
そうだ、この文章には狂気が、肉欲とともについてくる狂気染みた勢いが足らんのだよ。
そこでその狂気を出すべく、私はさらにこうする。
今日はずっとおセックスがしたいと思っていキョキーー！！
これでいい。俺はこの文章を目の前にして、一瞬ニヤリとしてみせる。
そして自信に満ち溢れた手つきで更新ボタンをPUSHするのであった。
「Y平さんムッツリすぎ！今後一切、私に寄らないでくださいね」
「協同ブログでよくもまあそんなに下ネタが書けるな！死ね！」
「きもい。同じテニスサークルにいたと思うと反吐がでる。」
と、こんなことやったらコメント欄は１００％こうなるわけだ。
工夫しても工夫しても、書けるテーマが限られてくる。
実生活に影響を及ぼすことが分かっているこのブログ上では、
自分の肉欲という、どんびきされる要素を持ったタブーには一生触れることができない。
知り合いが見ているということはつまりはそういうことなのだ。
だから、僕はこのブログ上では一生よい子ちゃんの記事を書かなければならない。
僕の内にある醜いものを、白日の下にさらしたい衝動に駆られたとしても、
ずっと「ケンカはよくなーい」「インサイダー取引よくなーい」などと叫んでおらねばならぬのである。
なんてバカらしい。せっかくネット上に書いてる意味がまったくない。
ん？　ネット上？　そうだ、ネット上だ！
なんで今まで気づかなかったんだろう？
ここはネットなんだ。そんな工夫なんてしなくとも、
もっと簡単な方法があったじゃないか！
なんでもありでやってやればいいじゃないか！
自分の意見を書きつつも、実生活にまったく影響を及ぼさない書き方。
そう、例えばこんな感じに書いてやればいい。
「今日は無性にセックスしたかった。どんぐらいセックスしたかったかというと例えば、
金正日の前で、裸になった井上和香がたわわな胸を覗かせながら僕を見ているとする。
金正日は言う
「その女とセックスをしたくば好きにするがいい。
だが、お前のアルトリコーダーがブラックホールに吸い込まれたが最期、
核兵器を日本に向かって発射する。」
そういう取引があったとしたら、僕は迷わず金正日に飛び掛る。
飛び掛って
「てめえでもいいんだぜ！？　うきょきょきょきょ～～～！！」
とか言って金正日を犯しまくる。
そんぐらいセックスしたかったんだ。」
ってDAI君が言ってました。
さすが。こうすれば下ネタ記事を書いても、お咎めなし。
女性読者にもひかれないし、みんな笑顔。ランキングうなぎ上り。
ネットって便利。
↓今、リストカット等の自傷行為を繰り返しながら、
↓「DAI君ごめんDAI君ごめんDAI君ごめん下ネタごめん下ネタごめん」って
↓一生懸命土下座してます。（投票）

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ランキング８０位！！！　まじか！？
すげえよ、ほんとにはあちゅう近づいてきた！！応援ありがとう～～！！