どうも、Y平です。
写真からお察しのようにメンタルがアレしたので実家で休養中です。
休養して最初の1週間ぐらいは仕事に行かなくていいという解放感から
精一杯エンジョイしてたのですが、1週間超えたあたりでものすごい虚無感に襲われました。
ニートも1週間すれば危機感が沸くとはよく言ったものですが気持ちものすごいわかる。
本当に本当にやることがない。
あまりにやることがないので、昼間のワイドショーを見ながら
スマホで写真を見つつ、あのときはよかった。このときは輝いていた。などと過去の栄光に
想いをはせていたところ、一枚の写真を見つけました。
うちの愛兔、茶太郎の写真でした。
実にうまそうに雑草を食べてます。あのときは雑草をしきつめたゴザに飛んでいき
イキイキと雑草を食べてたなあなどと思っているとふと、疑問が浮かんできました。
雑草って本当においしいのかな?
ウサギは他の動物と比べると比較的グルメと言われています。
そのグルメウサギが旨そうに食べるんだから、
もしかしたら普段気にもとめない雑草に
人間の知らない至高の味が秘められているかもしれません。
ということでウサギが食べる雑草を実際に食べてみました。
雑草を食べるための3つのルール
1. ウサギが食べれるようなコンディションのよい草を探す。
クスリや犬の糞尿がついてそうな場所のはNG
2. 人の土地で雑草を取る際は必ず許可を取る
3. 取った雑草は残さず食べる
雑草を探そう
幸いうちの実家はとんでもないイナカなので、雑草探しにはうってつけの場所といえます。
散歩がてら実家付近をブラブラと歩きます。ちなみに平日の昼間です。
30のオッサンがビニール袋片手にブラブラしてるさまは中々のアレです。
ご近所に変な噂が立たないように祈りつつ歩いていると
さっそく第一雑草を発見しました。
ペンペン草です。
アスファルトにおいてみるとよく分かりますが、黄色いです。
農家を営む方が多いので、田園のそばは軒並み草枯らしがまかれていて
枯れた雑草しかありません。
枯れて佇む雑草が実に哀愁を漂わせます。
一見緑豊かに見えるイナカですが、
人間の都合によって根こそぎ枯れさせられ、死んだ枯草たちでいっぱいでした。
しばらく歩いているとこんなものも。
車は意味が分からない。
打ち捨てられ草ぼうぼうになった空き地には不法投棄された廃棄物の山。
なんなんでしょう。
緑豊かだったはずのイナカはかりそめの緑にあふれ、
こうしてダークサイドな部分をまざまざと僕に見せつけてきます。
「地方こそ成長の主役」
と自信を持っておっしゃる総理の目に、こうした地方の現状は届いているのでしょうか。
こうしてややダウナーな気分で歩いていると、
それでも雑草たちは強く強く生きていました。
シロツメクサ。
スギナ。
ヨモギ。
草枯らしの魔手から逃れた雑草がけなげに揺れています。
雑草魂とはまさにこのことと勇気づけられる想い。
さて、では摘むかと手を伸ばしてふと気が付きました。
ここは犬の散歩コースのメッカなのです。
幼少期、犬を飼っていた僕もこの田んぼのあぜ道で犬におしっこさせたりしてました。
そう、この辺の雑草は犬の糞尿がついている可能性が高い。
あいにく僕にスカトロの趣味はありませんし、
犬の糞を人間が食べたらどうなるか分かったもんじゃありません。
試しにgoogle先生に「犬の糞 人間 食べたら どうなる」と質問してみたところ
回虫が寄生し失明の恐れがある。
との回答をいただきました。こええ。
さて困った。
田んぼのあぜ道がダメとなると、できるだけ犬の散歩コースとは離れた
しかも草枯らしがまかれていないという条件の場所を探す必要があります。
ふと見回すと、私有地と思われる畑が目によぎりました。
これしかない。ポンと手を打った僕は次の手に出ます。
人んちの雑草を分けてもらおう
目の前には民家。その民家の手前の駐車場と思われるところにシロツメクサが敷き詰められています。
あの家の人に頼み込んで、シロツメクサをゲットしましょう。
時刻は平日の14時。一息ついた主婦たちがワイドショーを見てる時間です。
出てくれる可能性が高い。僕は飛び込み営業の気持ちでインターホンを押しました。
ピンポーン。
はい。
インターホンにはカメラがついていました。
やべえ、スーツでこれば良かったなどと思案しつつ挨拶をする。
どうもこんにちはー。わたくしWebライターのY平と申しますー。
はあ!?
妥当な反応。
平日の昼間、
よくわからないオッサンがビニル片手に訪問してきたらこうもなります。
ここで心が折れたら企画が成立しないので粘ります。
あのですね。今ウサギが食べられる雑草特集をやってましてー。
うち、ウサギは飼ってません
いえいえ、セールスとかじゃなくて。
実はお宅の駐車場にいーいシロツメクサが生えてまして。
できれば、それを少し分けていただけたらと思いまして。
僕の人生の中で「いーいシロツメクサ」という単語を発する機会が
来るとはこの日まで思いませんでしたが、どうにかこうにか
セールスではない、ただ雑草が欲しいだけだということを理解してもらえました。
そして雑草が欲しいだけってどういう状況? と自答し始めてるところで奥さんから
残念な回答が。
あそこの駐車場、うちの土地じゃないんだわ。
どうやら別の人が持っている土地で、その土地が誰のものかもわからないとのこと。
ちなみに車も別の人のものみたい。
どうにか連絡先わからないっすかねと尋ねるも、分からないと。
というかそもそも良く分からないおっさんに連絡先を教えてくれるはずもない。
どうもー、お時間いただきありがとうございましたー
精一杯の笑顔でインターホンのカメラに向うも、インターホンの先は無言。
明らかに不審がられており、警察を呼ばれてはたまらんと逃げるように民家を後にしました。
これすごい心折れる企画では?
軽い気持ちで雑草食べればいいやと思っていた自分をなぐりたい。
その後4件民家を回るもなかなか雑草を取らせてくれない。
当たり前だ。いきなり押しかけてきて「お宅の雑草とらせてください」とか
来たら完全にキチガイである。
ひどいのになると「WebライターのY平と申します」と言った瞬間ガチャ切りされることもあった。
よっぽどどこかの大学の研究でーとか嘘をつこうかと思ったけど、
嘘をついた時点で犯罪レベルが格段に上がるので、
Webライターと自称するしかなかった。
それにしてもWebライターのY平って胡散臭さ半端ねえ。
その後、昼間なのに雨戸閉めて人気のない民家を訪ねたり。
神社で「どうか雑草を取らせてくれますように」とお参りしつつさらに歩く。
路地を抜けるととある民家にたどりついた。
母屋なんかもあり、その軒先には乾いた玉ねぎがつるされている。
農家の可能性が高い。農家なら畑やらあそばされた土地などを持っている可能性が高い。
これは見込めるかもと思い、ドキドキしながら玄関をたたく。
ダンダンダンダン!
すいませーん!
なんしとん!?
振り返ると僕の背後に農作業姿のおばあちゃんがいた。
ビビった。気配まったくなかった。気づいたら僕の後ろにいた。
動揺しつつもフェイスtoフェイスで話ができる機会なんて滅多にない。
これ逃したら最後だぞという思いで
興奮する心を抑えつつ話し始める。
すみません。わたくしWebライターのY平――
あー!! いらん! いらん!
あー違います違います! セールスとかじゃなくって!
今ウサギが食べれる雑草を探していて。
ああん!? ざっそぉ!?
はい! できればおばあちゃんのところに生えてる雑草をとらせてもらいたいんですけど
その後も不審げに僕をがなり立てるおばあちゃんに、どうにか来意を伝えると
おばあちゃん、ようやく害はないと理解してくれたのか、おばあちゃんの畑に案内してくれる。
ほれ! ここになんぼでも生えとるで、なんぼでも持ってけぇ!
うわあ! ありがとうございます!
この畑、なんでもおばあちゃんが億劫で草枯らしをまいていないらしく、
畑の奥に行けば犬の糞尿もない。まさしく僕が渇望した条件だった。
おばあちゃんは常に怒鳴り声で僕に話しかけてきた。
何の雑草が欲しいんだぁ!?
えっと、たんぽぽとかナズナとか
たんぽぽぉ!? ほれ、ここにあるで、なんぼでも持ってけぇ!!
おお!!!! やった! ヨモギとかもありますかね?
怒鳴り散らすおばあちゃんだったが、僕が雑草の名前を口にするたびに
一緒に雑草を探してくれた。シロツメクサを見つけた時は一緒になって喜び、
お決まりの「なんぼでも持ってけぇ!」が炸裂した。
おばあちゃん、この土地でずっと畑仕事をして生計を立てているらしく
今年で90になると言う。元気すぎる。何年ぐらい畑仕事やってるんですか? と尋ねると
「ずっとだぁ! ずっと!」とかなりの大声で返事してきた。
すでにかなりの家で不審者扱いされてきた僕にとって、
おばあちゃんはまさに救いの女神だった。
僕はちょっと目を潤ませながら感謝した。
おばあちゃん! どうも本当にありがとうございました! |
なーにが! 雑草がそんなに嬉しいんか!? 変なやっちゃなーなーんぼでもあるで、わしが礼言いたいぐらいだわ! |
おばあちゃんは笑顔で僕を見送ると最後に「がんばれよーう!」と
声をかけてきた。
30。休職中の身としてはおばあちゃんの言葉が涙腺にしみた。
雑草を食べる準備をしよう
さて、これで終わっとけば、おばあちゃんとのハートウォーミングな出会いで
大団円なんですがそうは行かない。なにしろこの雑草を食わねばならない。
「もうおばあちゃんだけで十分じゃない」と弱る心がありますが、
ここで負けてはWebライターと自称した人々に嘘をついたことになる。
意を決し、雑草を食べるための準備をします。
まずは雑草についた汚れを流水で落とし、水道水に1日ほど漬け込む。
ええ? それだけでいいのと思う人もいるかもしれませんが、
水道水には塩素が入っているので、この塩素が殺菌効果を出してくれます。
よく金魚水槽に新しい水草を導入するときに使う手です。
まさかこの手を自分に適用する日が来るとは思ってなかったけど。
新聞紙で水気を取り、さらに1日乾燥させる。
ウサギは水分に弱いので、なるだけ乾燥させるのがミソ。
まあ食べるの僕だけど。
一通り準備を終えたら最後に、毒草がないか選別を行っておく。
おばあちゃんにどやされながら夢中で採ったのだけど、
何の雑草か分からないものがいくつか混じっていた。
ためしにパッチテストをしたところ明らかに毒性があるものが
含まれていたので怖くなって分からないものは全部捨てた。
毒草はマジでその辺に生えてるからみんなも注意しろよな!
雑草を食べよう
それでは念願の実食です。
ここでおしゃれな検証記事であれば、料理研究家の○○さんにお越しいただいて
おひたしやら天ぷらやらにするところですが、
そういうのは必要ありません。生で食べます。だってウサギは生で食べるから。
そんなわけでいってみましょう。全部で6品目。
記念すべき第一品目はスギナです。
うん! 美味い!
なんだこれ普通に食べれる! 青々しい匂いがむしろ爽快で味は水菜のよう。
和風ドレッシングと一緒に食卓に上がったらうめえうめえ言いながら平らげるレベル。
調べてみたらスギナは普通にクックパッドでもいろいろレシピ出てきた。
幸先いい。スギナは美味い!
お次はクズノハ。
こちらはいざ食べようとしたところ
0.5mmぐらいの虫がパラパラ落ちてきて、食べる前から不味い暗喩があった。
まあでも虫がつく野菜は美味いと言うし、我慢して口に運んでみる。
苦ぇ!
食感はパリパリしていて、冬の落ち葉をそのまま口に運んだ感じ。
味はちょっと苦すぎるカイワレみたいな。食感、味ともにこれは微妙。
クズノハは微妙!
さあどんどん行ってみましょう。
お次は大本命、ヨモギです。
ヨモギはね。餅になるぐらいだしね。美味いに違いない。
ひゃっはーとなる自分を想像しつつヨモギをつかんだところ、
でっかい蜘蛛の死骸が落ちてきたのでまたしても何か不穏な空気が。
不味い。
俺いったい何をやってるんだろうと人生見つめなおすレベルの不味さ。
香りは良い。ヨモギもちのいい香りがするんですが、
それを覆す苦さがやばい。
ヨモギのレシピを調べたところ、ヨモギ入りパンとか、ヨモギ入り豆腐とか
どれも香り付けのために使われていて、ヨモギ単体で食うものではないらしい。
あくまで風味を高める要素として入れるもの。
カレーが好きだからってカレーのスパイスをそのまま食べるやつがいないように
ヨモギも単体で食べるものではない。
結論、ヨモギは単体だとやばい。
ヨモギに完全に舌がやられたので、グレープジュースでリセットする。
寿司屋で白身食べる前にガリ食うみたいな。
そんなかんじで、痺れた舌をいやす。
舌をリセットして次に向うは笹です。
笹て。もう固さから言って食べるもんじゃない。
草食動物が強力な歯でゴリゴリすりつぶして食べるやつだろ。
固え。
分かってたけれども固い。茎は口の中でボキボキ折れ、
葉は変な繊維が硬くて噛みきれない。味はない。
総合してみると爪楊枝食ってるみたい。
笹が噛みきれないでテンション下がったまま次に突入します。
お次はこちらも大本命タンポポ。
タンポポはウサギ界でも至高の逸品らしく、
全国のうさぎさんがこぞってタンポポ大好きといろんなブログで自称しております。
であれば楽しみ。ここは気合を入れて食べることにします。
一瞬美味い! が、後で強烈な苦みが!
おいしいと思った。が、それはひいき目みたいなものがあったと思う。
みんなが美味いと言うから無理やり美味いと思おうとするあの感じ。
食べログで不正に評価された店に行った時のような虚無感。
これをおいしいと思えるうさぎさんとはやはり味覚の次元が違うのだと悟る。
結論、タンポポは一瞬だけ美味い!
最後はシロツメクサです。
個人的にこれが一番食前にくるものがあった。
シロツメクサの花をつかんだとき、ぶわさっと6、7匹の虫が落ちてきて
思わず声あげたもん。これ絶対虫も一緒に食べちゃうじゃん。
暗鬱な気分で、それでもシロツメクサを口に運ぶ。
美味!!!
なにこれびっくりした。花の香りがかなり良くて、食感はホウレンソウのおひたしのような感じ。
苦みなどもなく、なんと形容したらよいか分からない初めての味だった。
香りがいいから食が進む進む。おひたしにしたら爆ウマ間違いなし。
結論、シロツメクサは美味い! 特に花が!
雑草を食べてみた まとめ
いやー、通報一歩手前まで頑張って採取した雑草は
総じて食べられるものでした。たぶん、笹以外は適切な調理をすれば
結構いい味になると思います。今回の特集を振り返ってみますと下記のような感じ。
・イナカは草枯らしと産廃がうずまいている
・イナカで「雑草下さい」と各家を歩き回ると不審者扱いされる
・おばあちゃんは優しい
・ヨモギはスパイス。単体で食うと不味い
・シロツメクサはひくぐらい美味い
・笹は固い
皆さんも、通勤通学途中、ふっと脇道に目をやってみてください。
普段気にも留めない雑草ですが、そこには美味い物があるんだなあと
ぼんやり感じていただけると幸いです。
もしこの記事を見て雑草を食べようという方がいらっしゃいましたら、
スマホに野草図鑑入れて散歩がてら郊外に出てみると面白いかもしれませんよ。
それではまた次回! ばいばい!
雑草を食べるための3つのルール(再掲)
1. ウサギが食べれるようなコンディションのよい草を探す。
クスリや犬の糞尿がついてそうな場所のはNG
2. 人の土地で雑草を取る際は必ず許可を取る
3. 取った雑草は残さず食べる
3. 取った雑草は残さず食べる
3. 取った雑草は残さず食べる