~鰻のスフレオムレツ~ By Y平

 突然だけど、先日作った料理を紹介するよ。なぜ紹介するか? それは他でもない僕のイメージアップのため。料理シーンをアップすることで、「Y平さんは料理も作れるんだ、すごーひ」とあなたに思わせることが狙いである。本当は「料理『も』作れる」ではなく「料理ぐらいしかできない」が本当のところであるが黙れよ。最高の自分を演出したい、最高の自分を見せてやりたい、そして、モテたい。この感情、オウ、とってもプリミティブ! ノリ的には、「顔晒しします!」と一人で盛り上がって、奇跡の一枚をインターネット配信するブロガーやらSNSユーザーのノリに似ている。この自己顕示欲のせめぎ合い、たまらないね。
 ということで、先日、土用の丑の日に「鰻のスフレオムレツ」を作ってみた。
この料理、実はご存知「ミスター味っ子」で出てきた料理。レシピはないけど、漫画で見た記憶を頼りにノリで再現してみた。

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女子高生は苦手 By Y平

 大好きなモノは断然女子高生だ。ブレザーでもセーラーでも大好き。特にこう、肩掛けカバンがスカートに引っかかって、ヒラヒラと持ち上がってる様なんか見ると興奮する。見える……見えそうだ。ああん、でも見えない! 見えないのがいい。そのハラハラが楽しい。見なくてもいい。パンツ本体はインターネットで見ればいい。グーグル検索→「パンチラ 画像」
 しかしまた、苦手なモノも女子高生だ。なぜって怖い。奴ら怖すぎる。あいつら自分が可愛いこと知ってる。知ってて僕らキモメンたちをビクビクさせる。奴らは若さと自身の可愛さにまかせて、強い主張を押し通してくる。そして可愛い女子高生ほど、男を知り、僕よりませているのが定石だ。また彼女らは気持ち悪いものを見ると、素直に「キモーイww」と言うことができる。素直に気持ち悪がられる可能性、これが堪らなく怖い。大人は気持ち悪くても気を使って言わないので良い。言わないことが、優しさなのかどうかは分からないけれど。
 別にいいんだ。普通なら、女子高生が僕の生活に絡んでくることなんて毛頭ない。んだけども悲しいかな、僕のバイト先のコンビニは9人中6人が女子高生である。地獄だ。だってやつら画像の女子高生じゃない。生きて、動いて、コミュニケーションを要求してくる女子高生だ。それにいくら可愛いっつったって、目の前でオナニーできるわけじゃない。何のメリットがあろうか? ……何、付き合うだって? そな、おま……女子高生と付き合うだって!? それ、人間業やないで! ときどき、「俺、女子高生と付き合ってっから」とか吹く輩がいるけどそれは都市伝説っつーか、口裂け女的なポジションで受け流すのが大人です。僕、騙されない。羨ましくない。もう、泣かない。
 んで、コンビニよ。僕のコンビニって二人制なの。二人っつーことは、女子高生と二人って言う場合もあるわけ。可愛くて恐ろしい女子高生と二人っきり。これが、忙し過ぎてコミュニケーションしてる暇なんてないわあ! っていうコンビニならまだ良いんだけどね。まあ暇なんだわな、僕のとこ。勤務時間の70%ぐらいボーっとできる。そうなると自然、バイト同士の交流が生まれるわけだ。しかし僕は女子高生が苦手だ。ここが問題。
 先日バイト行ったら、運の悪いことに、女子高生バイトの中で一番アッパー系のOさん(15歳)がパートナーだったわけ。そのOさん超こええんすよ。目つきするでえし、深夜2時くらいにコンビニで男とたむろしてそうな顔してる。アッパーな彼氏と、上下スウェットで名古屋闊歩してそうな顔してる。田舎のヤンキー臭が物凄くする。無駄に可愛いのが更に怖い。陰キャラを情け容赦なく見下す顔だ。
 そして決定的なのが世代の違い。信じられるか? Oさん、ドラゴンボール見たことないっつってたよ。ギャーだよ。完敗だよ。ミスター味っこが朝7時に再放送してたこととかもたぶん知らない。タルる~と君が無駄にエロいことも知らない。マジかよ。どーすんだよ。まるで僕がお爺ちゃんになったよう。「じーちゃん戦争の話ばっかじゃん!」などと孫になじられてそうなお爺ちゃん。世代の違いはこうも残酷かね。
 一番苦手なタイプの女子高生を前にし、マジでどうしようもなかった。二、三、どうでもいい会話を交わした後、二人して押し黙る。聞こえるのは有線ばかり。客は20分ぐらい来ていない。重苦しい雰囲気から逃げるために、ふらりとレジを離れ店内を見回る。ビンを前に出したり後ろにしたり、床を箒で掃いたりして時間を潰した。それでも時間は大して過ぎなかったので、うまい棒の成分表示を意味もなく眺めてみたりした。仕事してる人っぽく真剣にうまい棒を眺める。なんて苦痛だ。やることがない。二人して再びレジへと納まる。無言。帰りたい。
 しかし僕は口下手、特に女子高生様に話しかけるうまいコミュニケーションツールなど持ち合わせておらんのです。なので僕はこう言った場面で、幾度となく、妙なハイテンションで会話を切り出し、人生を駄目にしてきたように思う。損をしてきた。
 落ち着け。落ち着いて、多くを語っちゃいけない。軽々しく下手なトークを繰り出せば殺られる。女子高生とはそういうものだ。僕は口からでかかっている「この前インターネットラジオをやってね……」という破綻ワードをすんでのところで飲み込むと、必死に押し黙る。押し黙ったところで何か会話の糸口を見つけ出そうと頭をフル回転させるが、出てくるのはインターネットラジオばかり。僕は一体何だ?
 とか何とか苦しんでいると、段々Oさんにムカつきを覚えてくる。なんで僕がこんなに気を使わなきゃいけねーんだ。くそ。何様だ。可愛い顔しやがって。お前が画像上の女子高生だったらとっくにオナニーしてっぞ。などとムチャクチャな理論でOさんに食って掛かる。もちろん脳内でだ。はあ~あ、そっちがその気ならこっちも俄然知らんぷりを続けるモンね。駄々っ子である。
 数分の耐え難い沈黙。よっしゃ、もっかいうまい棒でも眺めてくるかなと思った矢先のことだった。Oさんが沈黙を破り、突然口を開いたのだ。
「そういえば、膀胱炎になっちゃいましてね」
 ええー。膀胱炎―。「ファーストトーク、膀胱炎! 3万点!」思わず心の中でマサルさんがジャッジしたので吹き出した。おま、膀胱炎って。沈黙を破る会話が膀胱炎って。何。
 吹き出すとともに僕はOさんに対して一気に親近感が沸いたのだ。Oさんは僕に気を使い、珠玉のネタを下ろしてきたわけだ。てっきり僕と話すのを拒否しているのかなと思っていたのに、こいつぁとんでもない誤解だった。実にいじらしい。先輩であるはずの僕は、思わぬOさんの気遣いに恥を覚えた。僕はなぜ後輩に気を使わせているのだ。こんなことまで言わせるなんて……年長者失格じゃないか。
 その後も、Oさんは「オシッコ出すときに、こう、普通の痛みじゃなくて、内臓が痛むんですよー」とか、「手術までって程はいかなかったんですけど、危うく挿れられるとこでした」とか、自分を切り売りするようなネタで盛り上げようとしてくれ、僕は大いに和んだ。なぜこの人は僕に女性器絡みの話をするのだろう。なぜ僕は親しくもないOさんと、Oさんのオシッコ関係の話をしているのだろう。そう思うと無闇に笑えてきて、大分リラックスすることができた。
 最後にOさんは、「もう絶対、我慢しませんよ」という決意で会話を締めにかかる。それを聞いて僕はニコニコしながら、リラックスした調子で言葉を返した。
「へえ、Oさんオシッコ我慢するイメージないけどなぁ」
 当たり前だ。逆にオシッコ我慢するイメージってなんなんだ? 初対面に近い女の子の尿意の感じ方まで僕はイメージしているのか。言ってしまった後、マイクロセカンドのスパンでその意味を理解し、僕は自分のウカツさに気づいて唖然とした。Oさんはそれを聞くと、一瞬表情を曇らせ、「っすよねー」などと生返事して、また押し黙った。
 ここに僕とOさんの間の壁が、半永久的に崩されないことが約束された。その日僕は終始うまい棒を監視するに徹したのだった。
 やはり女子高生は苦手だ。というより全体的に苦手だ。人生とか。
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