先日課長の家のピザパーティに呼ばれた。
件名:PPTについて
本日うちでPPTを行います。◯○のピザハットに6時半に集合で。
ピザパーティをPPTにするあたりもうヌヌヌヌーン!! って感じなんだがそれは一旦置いといて、やったやったーと小躍りしながら自宅にホイホイついていったら仰天した。
おいこの家多分8000万ぐらいするぞ?
大通の郊外、札幌の一等地の場所にオートロックで推定4LDK、なんか洗面所とか2つも洗面台があって、南京の5つ星ホテルより豪華な内装。5.1chサラウンドのスピーカーに落ち着いた色のラグとでかいソファー。なんの素材でできているか分からない白い壁(え? 大理石?)。課長の奥さんが食べきれない量のポテサラにナゲット、パエリアに、Fran Franにありそうな茶色のボウルに盛り付けられたグリーンサラダを続々と出してくる。俺が思わず「月9のメシみたいだ」とつぶやいたところ、後輩がうんうんうんと首を振った。そして傍らには良くしつけられた
フレンチブルドック。趣味はマラソンに自転車、ライブ、
カントリースキー。おいおいおい、
俺の会社の課長ってこんなんなの?
課長がとんでも年収の金持ちだということを強調したいわけではない。課長がインテリアにおいても趣味においても
絵に描いたようなオシャレだということだ。少し前の僕であれば、「リア充乙でありますwwwww そんなことやってる間に仕事しろwwwwww」とか毒づいていたがそうではない。そもそも課長はクソほど仕事ができる。重要なのはそんなに仕事ができるにも関わらず、
プライベートも上質でオシャレ過ぎな件だ。
部長の話をしよう。
部長はいつもスキニーなパンツと尖った靴を履いており、白いYシャツは胸元まで開けられ気持ち悪いのではなくダンディーな胸毛がチラチラと見えている。肌は浅黒く、テスラの車を乗り回し、趣味は
サーフィンとこれまたカントリースキー。白髪交じりのあごひげが、かっこいいという次元にとどまらず
もはやEXILEの社長である。飲みの席で家を建てた話をしていたのだが、
デザイナーがダメすぎたから勉強してキッチンを自分で設計したとか。そして仕事はというと最若手の部長として鋭い意見で老齢の幹部にガンガン切り込んでいく。
いや、待て。
お前ら公私ともに出来過ぎだろう。
注目したいのは、二人とも仕事ができて、
異常にオシャレな点だ。そう、うがった見方をすればこれがオシャレだと言わんばかりの典型的なオシャレ。月9のドラマのテンプレみたいなところだ。それを僕たちインターネットに毒された人たちは「金にものを言わせた無個性wwww 俺たちの方がよっぽど云々」みたいなことを言うんだが、最近はちょっと違うんじゃないかと思う。
「おしゃ子はここで生まれた! かっぴーさんの自宅兼作業場。」
最近「おしゃ家ソムリエおしゃ子!」でオシャレぶってる人たちを鋭い正論でぶった切る、でもオシャレに関する造詣は異常に深いという漫画でぶいぶい言わせているかっぴーさんのインタビュー記事である。
オシャレに対する憎しみとも取れる小気味いいギャグが心地よいのだが、
肝心なかっぴーさんはクソほどオシャレだった。
でもかっぴーさんがオシャレにするには理由があって、寝に帰るだけのアパートに住んでいた際に慢性の体調不良に襲われたらしい。そしてなぜか超オシャレなニューヨークのエースホテルに長期泊まった際に、驚くほど体調が向上し、生命力に満ちたらしい。そこで気づく。
いい感じにクリエイティビティを刺激する家でなくてはと。
んでかっこいいデザイナーズマンションに住んでインテリアも凝り、いいテーブルも用意し、そこで生まれたのがヒット漫画「おしゃ家ソムリエおしゃ子」である。
課長や部長、そしてかっぴーさんの事例を鑑みても、オシャレ、というかきちんと生活してるやつにクリエイティビティってついてくるんじゃなかろうか。いい家具に囲まれ、いいものに触れ、そして何かしらアウトプットを出していく。するとそのうち良いものが生まれていくのではないか。Googleがチャラいデスクにバランスボール、無駄にオシャレなインテリアをオフィスに用意するのも良いアウトプットは良い環境からという信条からだ。チャラいベンチャーが無駄にオシャレに見せるのもはあちゅうさんがアルファルファとかアサイーボウルとかを食べるのもそういう信条からである。するとすべてのオシャレクソ野郎がただの妬みの対象にならなくなってくる。これは精神衛生的にも良いぞ。
じゃあ俺は何するか。
とりあえず水槽を洗った。藻みたいな水槽はなりを潜め、オシャレとも言えなくないコメットがこんにちはした。一歩一歩行きたい。これを皮切りに最終的に間接照明まで行きたい。ビレバンみたいな部屋にしたい。オシャレは1日にしてならず。目指せオシャレクソ野郎!