【エッセイ】職場のヤクザ的な人

 仕事でヤクザ的な人に難癖をつけられたため珍しく深夜残業をした。ヤクザ的な人の特徴としては分かっていないにも関わらず自信満々で怒り、あおり、そして期限が急だったりするのでとても参る。
 まあ新人のときであればこの人一体何様なんだろうと怒りもしただろうが、最近は怒ってくるヤクザ的な人の上にもさらに高慢ちきなヤクザがおり、その上にはさらに極道も真っ青なヤクザが控えているらしいことが分かった。僕に指示が降りてくるまでにいろいろなヤクザがヤクザに脅されているという塩梅。更に突き詰めて行くと僕に与えられた理不尽は顔も知らない社長が発端で起こったとも考えられる。が実は違う。社長も不景気だとか他社との競合と圧力、はたまた政治的な理由により常日頃脅されている。さあこの調子でどんどんさかのぼって行くとどうなるか。最終的には人類的な規模で神に脅されてたりするのかね。神に脅されていると思うと何だか胸熱だね。
 ということで理不尽だろうがやるのが社会人。プロミスもっとサービス向上委員会みたいに和気あいあい仕事ができるときなんて新人研修ぐらいしかありませんよ。
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【エッセイ】指輪買い行った

 婚姻届を出したものの指輪やら結婚式やらの話はなんにもしていないのでひとまず結婚したぞというシンボル的な何かが欲しい。ということで結婚指輪を買いに大丸へ行った。
 JRタワーの一階、スタージュエリーなる店へおもむろにイン。以前婚約指輪を買った時のポイントがあったのでここに決める。冷静に考えてみると宝石店類でのポイントカードは違和感がある。だって宝石。銀ダコのスタンプカードとは違い、毎日使うものでもない。これにポイントをつけても一体何年後に使うアレであろうか。よしんば常日頃に使うセレブがいたとしていそいそとポイントをつけていると思うと何ともセレブ感が薄れる気がする。「あらま、この前来た時のポイントがあるじゃない? 今日はこれでお買い物しちゃおうかしら」とはデヴィ夫人も言わないだろう。
 そんなことを思っていたため、案の定ポイントカードはどこかへ消えていた。「これ、使わねえだろウケる」とか言って引っ越しの際にどこかにやったのを覚えている。セレブではなくとも婚約結婚コンボのときはポイントカードを使う。スタージュエリーご利用予定の方は覚えておくと良い。
 それはさておき結婚指輪。妻と僕、店員のお姉さんはかしましかしまし、細いのがいいなあとか、これは可愛いとかなんとか盛り上がる。デパートのお姉さんってなんであんなに感じが良いんだろうね。メイクばっちりなのにどこか上品さを兼ね備えてるのがいい。ぱっと見キャバ嬢のように濃いメイクしているのにどこか違う。デパガ化粧のこういう紙一重感が好きだ。
 店員さんのメイクを眺めつつアフターサービスの説明を受ける。石が取れたり大きな傷ができたときは無料修理で一生涯保証してくれるらしい。なんとも太っ腹なサービスである。これ故意に宝石だけ取って店に持って行ったらもう一個宝石つけてくれたりするんだろうか? それとも強引に宝石取った時は分かるようになってたりするのだろうか。お客さん、これ意図的に外しましたね……有償修理とさせていただきますみたいな。なんでも水ぬれ故障にするドコモショップみたいな。
 女同士楽しそうに話す店員と妻を見ながら「でも鑑定書がなければ結局……」とか「この大きさのダイアだと幾らで……」とか色々考えてたら話がまとまった。なんか結婚指輪っぽいものが目の前に。会社のリーダーとかこの前結婚した先輩とかもこういうやつつけてた。
 ということで報告の順番はおかしいけれど結婚した。マジか。実感沸かねえ。ギャルゲーやってるみたいだわマジで。
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