肉欲企画が終わった

日記(肉欲企画)
 10年前から読み続けていた個人ブログ、「肉欲企画」が終わった。
 肉欲企画? 何それ? と言う人に説明する。ときは2005年あたり。僕の学生時代。世の学生がこぞってブログをやって自己顕示欲を満たしていた時代。ライブドアが粉飾決算する前。学生ブログランキングという狭い狭い世界で、「今日は青山のパッパラピーという店でランチ☆」みたいな読モだか、はあちゅうだかのブログがランキングの上位を占める中で、「スネ夫の肛門を破壊する」などというキチガイじみた記事を更新し、ものすごい人気を博していた。
 オフ会を開けば数十人規模の人が集まり、中身は頭がキレッキレの法学部生、イケメン、そしてココが重要、キチガイ。酒を飲んでは様々な人に暴言を吐き、ときにオフ会に来ていた女の人を抱き、男の乳首を噛み、昼から焼酎片手に東京を闊歩、後半はほぼ吾妻ひでおのようにアル中になっていたと思われます。
 そんな肉欲さんがブログをやめるらしい。なぜか? 以前書いていた様な文章が書けなくなったと肉欲さんは言います。日々酒を飲みながら書いていたそうですが、幾ら呑んでも肉欲さんの中の肉欲さんは出てこなくなったらしいのです。
 プロスポーツ選手が歳とともに「自分の思っているプレイができなくなった」と言って現役を引退する事はよくあることですが、ブロガーがそう言って辞めるのは珍しい。たいていのブロガーはひっそり辞めていきます。あの人、最近更新しないな? で辞めていく。なので辞める心境を切々と綴った肉欲さんの記事にはぐっとくるものがあった。同じ時期からブログをやっていた者として何かシンパシーを感じるものがあった。
 確かに2005年から2009年あたりの肉欲さんはすごかった。大学生ブロガーと言うより、中島らもやリリーフランキーばりのユーモアと勢いがあった。思うにこの勢いというのが重要で、大学を出て勢いが失われたのが大きいと思う。
 その勢いを支えていたのは怒りだった。僕たちは常に何かに怒っていた。パッパラピーな文章を書く女子大生ブロガーに、何か分からないけどランク上位にいる読モ達に。ヤリサーに。怒りのエネルギーをブログを書く勢いに変えていたと思う。
 それが社会に出て。女子大生ブロガーはみんないなくなり、お腹が大きくなりました。読モ達は電通社員と結婚してフェイスブックに戦場を移しました。ヤリサーはそのコミュニケーション力を生かして優秀な営業担当になりました。はあちゅうは「スッキリ!!」のコメンテーターをやるようになります。まあはあちゅうはブログを続けているが。
 とにかく困りました。怒る相手がいなくなった。憎いあん畜生達は「ブログ? そんなのやった時期もあったなあ」とかいいながらツムツムやらパズドラをやります。フェイスブックに友達のみ公開でホームパーティーの写真をあげたり、誕生日おめおめやりあって楽しそうです。
 ち・が・う・のー!! そういうのじゃないのー! もっとこう、意味のないブログをやってよさー! 青山のランチの写真あげたり、彼女や彼氏ののろけ話とかあげてよー! 子供ができた人もいるでしょう!? 会社で仕事に目覚めてバリバリと日々成長(笑)をしている方もいるでしょう!? そういう意味のない日常をさ! 綴ってよ! 凡庸なリリックで! 凡庸な写真で! そうしないと僕たちが怒れないじゃないか!
 と誰もいない部屋で叫んでいるのが僕です。そして何かをバカにしている僕を遠くから見ながらバカにする世間というものがあるのを感じています。たぶん肉欲さんも同じ気持ちだったんじゃなかろうか。だいたい芸能人でもないのにブログを30になってもやってる辺りで世間の目は冷たい。LINEのアカウントは教えれてもブログをやっています(キリっ)とはできない。だってこんなに恥ずかしい。青臭い大学生だったころの残滓がブログの臭気にあらわれちゃってるから。
 怒りたい。何かに怒っていたい。肉欲さんと同じく、僕の中のロック(笑)だったもの、((笑)をつけておこうと保身的になる自分にさらにムカついている)が確実になくなっている。そんなことより現実見ろよと世間が語りかけてくる。怖い。怖いよ。怒っていたっていいじゃない。何? 30過ぎたら怒っちゃいけないの? 30過ぎたら自分語りをブログに書いちゃいけないの? なんでみんなブログ辞めるの? もっとこう煽ってきてよ。癇に障る文章を書いてよ。ただしイケダハヤト、てめーはダメだ。

嫌いになるプロセスと飛行機のブス

 人が他人を嫌いになるには段階があると思っている。会った瞬間嫌いになることはなくて、何かしら「あ、いやだな」というポイントがある。嫌だなポイントをゲットした次からはとにかくその人を嫌いになるための何かをあらさがしするようになる。「あ、あんなことされた。やっぱり嫌いだ」「こんなことするなんてやっぱり俺はこの人が嫌いなんだ」と徐々に嫌いになって行く。そうして最終的に「僕私、あのひとのこと嫌いなんだよね」などと飲み会の席で披露することになる。
 このように「あの人嫌いだ」と思うまでは段階がある。よくぱっぱらぴーな女が「あたしあの人生理的に嫌い」とか思考停止なことを言うことがある(そう、こういうことを言うのはたいてい女である)。ただ「生理的に」嫌いとなった場合でさえその人が不潔だったり、息が臭かったり、何かしらの理由がある。人は人を嫌いになるとき、瞬間で嫌いになるのではなく、「よし、今からこの人を嫌いになろう」と努力をして嫌いになる。嫌いになるためのあら捜しをする。人を嫌いになるには必ず理由が必要なのである。
 先日飛行機に乗ることがあった。疲れていた僕は、飛行機にのったそばからこっくりこっくり、浅い眠りをむさぼりつつ席に座っていた。そんな折、後ろの女が小くだらない談笑をしはじめた。談笑自体はまったくいいのだがとにかく声がでかい。危険ドラッグでもやってるんじゃないかと思うほどのハイテンションででかい声を出すものだから、そいつが話すたびに目覚まし時計のスヌーズのように僕の睡眠を阻害する。こっくりこっくり……「でさあ!」びくっ! こっくりこっくり……「そういえばさ!」びくっ! ってなもん。
 そのとき僕はこの女を「嫌いかもしれない」と思い始めるわけである。こんなはた迷惑なやつは嫌いに違いないと思い込むわけである。嫌いオーラをモヤモヤと生成し始めている最中に、女、「ゴホゴホ」と風邪にかかっているのか、タン絡みの咳までし始める。こうなると今この女を嫌いになるモードの僕は、「そらみろやっぱりこういう非常識な女はうるさい上にウイルスまでまき散らして最悪→だから嫌い」と思うわけである。これこそ嫌いになろうとする努力。一度嫌いかもしれんと思ったやつはありとあらゆる悪いところのあら捜しをして全力で嫌いになろうとするわけである。
 うるさい女に我慢しつつ2時間。ようやく飛行機は目的地に到着した。んで、最後にこのうるさい迷惑女の顔を見てやろうと思った。なぜなら飛行機で無分別に騒ぎ、風邪ウイルスをまきちらすような最悪女はきっと顔もブスに違いないと思ったからだ。ブスであれば僕はこの女を真に嫌いになれる。僕に嫌われるにふさわしい女であってほしい。そんで顔を見てみた。
 したら女、なんか無駄にかわいい上に、マスクもしてウイルス対策もばっちり。僕の中でうるさくて風邪をまきちらしそしてブスであるべき女が完璧な容姿で鎮座しておる。思わず「お、おおう」と言葉が漏れる。しかしふつふつと沸上がる負の感情。「嫌いになりかけた僕の気持ちをどうしてくれる!」とやはり女を嫌いになった。このようにいっぺん嫌おうと思うと理不尽な論理で嫌いになろうとするので人間は面白いです。

インターネット開通まであと4日

 ほんとインターネット繋がらないのはどうして? 発狂する。妖怪のせい? 完全にプロバイダーのせい。引っ越す言うてたのになかなか書類送ってこなくてズルズル。引っ越してから書類送ってくるとか。何のために引っ越し前に手続き開始したのか。腹立つ。
 まあいいわ。とはいえ、日頃インターネットつながらないつながらない言うてますけどつながるところでは繋がる。会社だ。
 しかし会社からfc2ブログの管理画面を開いて日記更新し始めたらコンプライアンスがどうとかお前らが騒ぎ始めるからやらない。やらないけれども日記は書く。ローカルのメモ帳に自分の思いのたけを会社のキーボードから打ち込み、保存。そんでもってEvernoteにアップする。んで家でスマホからEvernoteの日記をコピペ、スマホから日記をアップって寸法。かっこいいだろ? このEvernoteに何かしらを記録する感じ、できるビジネスマンライクで最高にクールです。
 クールだけどもニョキニョキと生えてくるは一抹の反骨心。なーにがクールか。「全てのものをEvernoteに記録してどこでも見れるようにしています、これが僕のクラウド活用術です(キリっ)」とかいかにも過ぎて恥ずかしい。バカじゃねーの。領収書も日常思いついたいいアイデアも、私は全部Evernoteに記録しますって言うバカ。いや、スマートだとは思うよ? ただしそれを言うやつは総じてドヤ顔でまあはしたない。そういうやつを見てはひそかにクラウドバカと蔑んでいる。なぜならばEvernote使うやつの大半はいいアイデアなりをアップロードしてそれだけで満足するからだ。後で見返したりしない。それがアイデアの種になりますってシーン見たことない。みんなアップロードしてそれだけで満足している。クラウドオナニーである。
 だけども僕は違う。現にEvernoteに日記をアップしてそれをfc2ブログにコピペしている。これは立派にEvernoteを活用していることになるのではないか。いや、なる、けどさあ。そこはもう外付けキーボードでスマホそのもので日記書いたほうが楽だよね。ただキーボードがないから苦肉の策でEvernote使ってるだけなのよね。どこでも自分のデータは一元管理できますって言うけどそんなことやって喜ぶシーンってあんまないと思うのよね。クラウドってなんだろうね。活用はするけど絶大な活用感はないっていう。かゆいところに手が届くだけって感じの。クラウドクラウドもてはやされるのは一体誰のせい? 妖怪のせい? きっと電通方面のせい。そうなのね。

インターネット開通まであと5日

 いい加減インターネットつながらない呪詛をwwwにまき散らすのはやめろよとかあなたは言いますけど俺は変わらず撒くよ。カウントダウンやったる。誰もお前のインターネット事情に興味はないとかいいますけどそしたら俺はお前らのランチにもスイーツにも興味ねえわ。発信したいことを発信する、それがブログ。だからお前たちも店名も書かない、具体的なおいしさも書かない、値段も書かないのないないずくしの「ランチ食べにいってきました♪」的ブログを更新するんだろ!? お前らのランチブログと俺のwww呪詛ブログと違いはあるか? 何が違う? 違わねえだろ? お?
 まあいいわ。とにもかくにもインターネットがつながるまであと5日です。もういくつ寝るとってか? 正月のカウントダウンなら分かるけどこんなことカウントダウンする日が来るとは思わなかったわ。24時間テレビ放送まで○○日ぐらいどうでもいいカウントダウンだわ。でも俺はするわ。子供。クソ可愛い子供はクリスマスまであと何日ってわくわくしたりするだろ? 海外赴任中の彼氏があと何日で帰ってくるわ。とかカレンダーに印つける女いるだろ? あの感覚。もういくつ寝るとyahoo BB。カレンダーにハートマーク書いちゃおうね。書いた。
 したらお前、yahoo BB様がやってくるの2/14って言うじゃない? 黒いものの日じゃない。なんかその日にハートマーク付けた俺って黒いものをもらえるのをはしゃいでる男みたいになってとんだ赤っ恥じゃない。バレンタインだか何だか言うのは、「べ、別に何も期待してねーし」っていうしれっとした態度を取るのが古来日本男児のしきたりでしょ? しかるになに? なに俺に2/14にハートマーク付けさせちゃってんの? そうやって後でバカにするつもり? 「よっぽどバレンタインデー楽しみなんですねwwww ぶほほほほwww」「どうせ誰からももらえねーよ妻からさえwww」とか馬鹿にして。何なのお前たちとyahoo BBは。俺の黒いもの投げつけたろか。おい。

ギブミーwww

 インターネット断ちをして一週間以上。インターネットがいかに僕にとって大事だったか痛感する。日々のストレスは淀のように僕の精神に蓄積し、膨らみ、僕の精神のなかで汚物となって弾けとぶ。辛い。辛いです。僕の中の汚いものをwwwの世界に発信したいです。今発信してるじゃんっていうあなたはフリック入力で文章書く大変さ、分かってない。お前らも長文でメールとかしないだろ。長文でメール打ててたのって高校時代のガラケーで最後だろ。できてツイッターで140文字ってなもんでしょう。僕の淀は140文字で収まらねーぞ。じゃあフリックやめてパソコンでオフラインで書けばいいじゃないとかいいますけどwwwと繋がってることに意味があるんだからな? wwwにつながってないパソコンとwwwに繋がってるパソコンはキャバクラとヘルスぐらいの違いあるからな。いくら女の子と話せても抜けねーだろ。じゃあ自分で抜けばいいじゃないとか言うけど、それがスマホでブログ更新するのに相当するからな。そこに情緒も機微もないからな。フリック入力マジムカつく。こんなんで長文打つ歳じゃない。あと15年ぐらい若くないと無理。じゃあスマホ対応のBluetoothキーボードで打てばいいじゃないとかガジェット好きのお前らが言いますけどじゃあお前Bluetoothキーボードタダでくれんのかって話。www。www。笑ってんじゃない。繋がりたいって泣いてんだ。www。www。ギブミーwww。