カリスマブロガーAの手記 ~栄光~ By Y平

カリスマブロガーAの手記
~昇り竜~
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7月10日
最近バイトバイトで忙しくて、手抜き更新が続いたせいか順位が5位になった。
ここまで順調にきてたのに、こんなとこで足踏みするのがなんか鬱。
あと気づいたことが一個ある。やはり手抜き更新だと、コメントの数が減る。
昨日の記事は久しぶりに10コメントを切ってしまった。うう、なんか凹む。
コメントが来ないとやる気でない。
そういえば最近ルゥさんからコメントがこなくなった。
昔はどんな記事にもコメントしてたのに、どうしたのかな? まあいいけど。
俺もルゥさんのブログ見てないし。つーかネタブログ以外つまんねーよなー、はっきり言って。
解説: コメントの質より量を重んじるようになってきました。
さながら多くのコメントがこない記事は価値がないといった風でしょうか? 
それが正しいかどうかは僕の知るところではありません。
が、10個のコメントで満足する人もいれば30個こないと不満な人もいる。
そして30個に飽きてきたら50個ぐらいこないと不満になる。
こう言うと、「コメントがもらえるだけありがたいと思いなさいよ!!」と
ヒステリックな声をあげる方もいそうなものですが、まったくその通りですね。欲深く、はしたない!
ですがきっと、眞鍋かをりだって「今日はトラバすくねーなー」とか言ってます。
あとAくん。様々あるブログのなかで、
ネタブログ以外「シンジラレナーイ」って感じになってるようですね。
「自分の分野が一番!」この姿勢、別に悪くないと思います。理由はありません。

7月16日
やっと4位復帰だ。やはりトップ10ともなると、世界が違う。
ちょっと気を抜いたら容赦なく順位が落ちるからね。さあこっからラストスパートだ。
がんばって記事書いて、一気にごぼう抜きせにゃ。
……なのに今日に限ってネタが見つからない。つか大学行くだけでなんもやってないのに、
ネタなんかできるかよ。あー……まじどうしよう。なんか面白い看板とかないかなー。
おもしろ写メかもーん。
……くそ……ネタ浮かばねえわ。今日は手抜き更新にしておこう。
解説: 道を歩くときはひたすらネタ探し。面白いものを見つければ速攻で写メを撮る。
こういった行為が最近そこかしこで見受けられるようになりました。
僕はそのたびに「ブログかな?」ってニヤリとします。
まあ別にそんなことはどうでもよくて、常にネタを探すのって疲れますよね。
Aくんの場合、授業中でも通学中でも常にネタ探しをしているようです。
常日頃から世界にむけてアンテナを張り巡らす。かっこいい。
でも逆に煮詰まりすぎてネタが浮かばない、だから今日は手抜き更新でとりあえず票数を稼ごう。貪欲です。

7月20日
ルゥさんから久しぶりにコメントがきた。内容はこうだ。
「最近いそがしそうですね。大丈夫ですか? 無理せずゆったり頑張ってくださいね☆☆」
正直「はぁ?」って感じだ。本文の内容には触れずに「忙しそうですね」とか、
暗に「最近つまんねーぞ」みたいに言ってるように思えて腹立つ。
気遣ってるように見せても分かってるっつーの。
俺だって色々忙しいし、でもそれでも頑張ってるんだよ!
腹立ったら逆にやる気でた。明日は休みだし、めっちゃ頑張ったる!
解説: 邪推しやすくなってきたようです。確かにルゥさんのコメントの仕方は本文に触れてない分、
そう捉えることもできなくはありませんが、
ルゥさんの心中に負の感情があるかどうかは分かりません。
ですがルゥさんの意図には応援の意味が明らかに含まれています。
いらぬ世話かはA君の捉え方次第ですが、そう捉えてしまうのはA君自身が自分の記事に
納得してない部分があるからでしょう。
あと腹立ってやる気でるってのは大抵強がりです。僕は大学受験に失敗したとき、
「なんで俺が……」と大学に対して腹立ちながら、一方で死ぬことを考えていました。
デンジャラス。若者ゆえの早合点。死ななくてよかったwww 自殺、だめ。絶対www

8月2日
俺がパソコンをやってると、親がすぐにキレるようになった。まあ、確かに怒るのも無理ないけど、
あともうちょいで1位だからそっとしておいてほしい。
……つーか……そう、今ランキング2位なんです。へへ……色々あったけど2位です。
あともうちょいで1位。一時期停滞してたけど、今はネタが降って沸いてくるみたい。
良質なネタがどんどん出てくる。コメントも今では40くらいついてくるし、
ちょっと俺、カリスマっぽくなってきてねー? 俺、ネタブログやってきてよかったよ!
解説: 「ブログやってきてよかったよ!」 この言葉を出すにいたった最大の原因はなんでしょうか? ランキングでしょうね。
A君は数ヶ月前にもこの言葉を出していますが、たぶん言葉の性質は大きく違います。

8月5日
ついにきた。ついにきた!
キタキタキタキタキターーーーーー! 
ランキング1位とった!
悲願、念願! ギャー!! 
マジうれしいーーーー!

やっと俺の文章が認められた! 俺の文章が本物だって認められた!
コメント欄は爆発の85個! おいおいみんな、そんなに祝っても返し切れねーっつーの!
解説: よかったですね。ファンもみんな喜んでます。次は一体どうするんでしょうか?
8月12日
大学で「Aさんですか?」なんて話しかけられた! やっべー、俺ちょっと有名人じゃあん。
でもあんま調子乗るとリアル友にばれそうで怖いな……自粛しなきゃな……でも嬉しいよ~~~!!
記事もまだまだ絶好調! コメントはいつも70ぐらいくるし、このままいくと書籍化?
ぐふふふ。笑いが止まらん。よっし、今日はあのネタでいくか!
解説: 一番楽しい時期です。書籍化とか考えるのってかなり楽しいですよね。
著作権に違反した記事がないよう祈るばかりです。
ところで期末テストはどうだったのでしょうか?
「俺にはブログがある!」というA君の心の声が聞こえてきそうですね。
余談ですが、ブログの女王「中川翔子」は、売れ始めてきたところで、
事務所に著作権違反の可能性がある記事をほとんど消されたことがありました。
そのときの中川翔子のショックたるや尋常ではなく、かなり大変だったと聞きます。
カリスマブロガーは心も体もブログに依存しているのでしょうか。大変そうですね。

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ほら長くなった……続きます。次回で最後。すぐ書く明日書く!
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カリスマブロガーAの手記 ~没落と忘却~ By Y平

カリスマブロガーAの手記
~昇り竜~ ~栄光~
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8月20日
メールが馬鹿みたいに来る! 「いつも見てます」やら、「笑えます」やら似たようなメールがボコスコ。
しかも女の子からけっこう来るもんでテンション上がるw
ブログがきっかけに彼女とかできたりすんのかな??
へへ、実生活にも影響が出てきたねw 
そういやあ、最近テレビ見てねえなあ……たまにはロンハーでも見るか。
ネタでも浮かぶかも。
解説: 応援メールは異性からが圧倒的に多いようです。
カリスマともなればその数たるや尋常ではなく、
「あれ? 俺はもててるのかもしれないぞ」と思いがちです。それは幻想です。
プロフィール欄にある、自分の顔写真(至高の一枚)の効果か、文章でイケメンぶってるためか……
僕も彼女の友達にブログが露見したとき。
「なんか文章ではイケメンぽかった」などと言われました。
あれは半泣きでした。

8月26日
なんつーか……つまらん。1位ってなってみるとつまんないっつーか、
案外何も起きないっつーか……書籍化の話とかもないし。
まあ、ランキング1位になったくらいでボコボコ書籍化するわけないけどさ。
でも毎日更新しても何もおきねーし、実際……くだらないかも。
解説: 「ブログがくだらないかも」そんな考えが頭にふとよぎります。
そして「やってても何もない」という帰結。
でも今までも何も起きてなかったはずですが、そこんところどうでしょうか?
あと書籍化を夢見てブログを書き始める人はボコボコいます。
しかしそういう人の中にも根本的なことに気づいてない人が多いようです。
ネタブロガーのA君は、口には出しませんが心ではこう思っています。
改行、フォント弄りばっかしてたら
書籍化できねええええ!!

文章自体がよくないと書籍化は容易ではありません。書籍化を目指す人は注意してください。

9月5日
まだまだ1位の勢いは衰えない。でもちょくちょく荒らしみたいのが来るようになってきた。
あいつら2Chばっかしてりゃあいいんだよハゲどもが。
人をコケにすることしか生きがいがない能無しめ。
まあ別にそんなやつは無視だけど。
俺はひたすらネタをやっていきゃあいんだよね。なんか悟った。
解説: プチ悟り期です。悟りには色々ありますが、その多くに
「周りにながされないよう頑張る」的類のものが見受けられます。
こういう場合、たいてい吹っ切れていません。
悟り後も、相変わらず読者の反響やランキングの上下で一喜一憂しているのは間違いない。
「うわ、小せえなあ、こいつ」と思いますか? うん、小さいっすね。
でもA君の気持ちになってみると実は切ない。
ブログ書くのに数時間かけてるA君を見れば、気持ちが分からないでもない。
あと2chの悪口はかなりよろしくありません。ほんとに潰されたりします。
ですが2chはキチンと見たら実は、めちゃくちゃ面白いことがあるので注意です。
何も気持ち悪い話ばっかしてるとこではないのです。
そして健康的、健全な一部の偏向ブロガーが2chをバカにしてるのと同時に、
2ちゃんねらーもそのような人たちを馬鹿にしてるのをお忘れなく。
んで、双方が
「うちわで盛り上がって馬鹿みたい」
と言っているのです。た、たまらんwwwwww

10月2日
1回ブログをやめようと思う。ランキングも1位とったし、
他のブロガーはみんなつまんねえしで張り合いがない。
何よりぶっちゃけ……見返りがないのがきつい。
ここでブログを辞めといて、もっとリアル(現実世界)を充実させよう。
リア充。みんな名残惜しいけど、さようなら。
解説: 人気ブログの閉鎖。なんかどっかで聞いたことある単語ですね。
見返りがないのがきつい、いやこの理由、もっともだと思います。
「素人が何言ってんだ?」と思いますか。
そういう方は、一度、時給0円でバイトをしてみるといいです。
A君に言わせれば、読者のために寝る間も惜しんで、大学の授業さえつぶして記事書いてんのに、
こんなに報われないのは何事かと。そういう感じでしょうか。
A君は自分を追い込むことが得意なようです。
そして、突然の「ブログ辞めます」宣言。A君のファンはみな悲しみ、
口々にコメント欄で「辞めないで」と叫びます。想いのつまったコメントの数々。
あ、ここで唐突に思い出しました。ここへきて急にジャイアンが
てんとう虫コミックス40巻「ふつうの男の子にもどらない」で、
こんなことを言っていたのを思い出しました。
「おれのコンサートはどうも人気が盛り上がらない。
やっててはりあいがない。このへんでもうやめたと言ったらどうだろう。
みんな大慌てするに違いない。今更のように俺の歌のよさを思い出して、
「おしい」「やめないで」とみんな口々に叫ぶ。
そこで俺はしぶしぶカムバック宣言をする

ほんと、まっこと偶然にこのセリフを思い出しました。他意はありません。

10月3日
たくさんの励ましの言葉が寄せられ、いまだに涙が止まらない。
俺にはこんなに読者がいる。俺の文章を待ってる人がいる。
俺……なに一人でかっこつけてたんだろう。変なプレッシャーを自分で作って、
一人で悲観的になって……
まだやれる。俺、まだやれるよ。
解説: カムバック宣言です。
スネ夫の「こんなことだと思った!!」っていう突っ込みが思い出されます。

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元カリスマブロガーAの手記
4月5日
つかブログやるとか時間のむだだし
解説: カムバック宣言後、相変わらずのランキング固執、いい記事が書けない葛藤。
そして読者におびえるあまりの疑心暗鬼な自分。
ブログの酸いも甘いも知り尽くした元カリスマA君の心の叫びです。
ですがその言葉を聞き取れる人は、いまや誰もいません。

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たいていの元カリスマブロガーなんてのはこんなんじゃないでしょうか?
彼らは悲壮感たっぷりに何度も悩み、煩悶し、そして閉鎖復活を繰り返し、
2chで叩かれることもあり、実生活に支障をきたし、単位を落としてみたり、居眠りしてみたり……
でもこんなん心がけ次第ですよね。そしてそんなに悩む原因になるのは、
結局のところランキング上位という見栄だったり、人気者たる自分に酔いたいだけだったり。
んで、そんな人を一歩引いた目で、俺はわかってるぞ風の顔しながら「ひくわ」などと言ってる人がいたり。
見栄とかプライドとか、誰しももってて、そしてそれを皆必死に隠して現実世界では生きているのに……
ウェブ上だとこうも醜く露呈し、皆がそれを叩く。自分が唯一無二の正義と信じて。
バカにしてるんじゃなくて、そういうのって興味深いなって思います。
ちなみに僕がブログやっててよかったことなんてのは、結構あって。
人のつながりだったり、文章力アップだったり。
でも悪かったこともいっぱいあって、
まあそれは自分が未熟だったからって理由なんだけど(謙遜とかなしで)、
それも糧となるので別にいいかなと。現実世界で役に立てばいいじゃない、ねえ。
だもんでブログとか心底どーでもいい。(ただし、プラスの意味で)
嫉妬きわまる、そもそも矛盾を多分にはらんだ、受験生ブログランキングを見ながら、
「偏差値きそえよ」とボジョレーを傾け冷静なツッコミをいたすネット弁慶Y平の雑記でした。
受験生ブログが最近僕の中で熱いです。
(受験生ブロガーの方、ごめんよ。でも……抑えきれない!! ビクビクッ!)
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病人日記 By Y平

やべえ、大分ブログ書いてないっすよ! 相当順位も下がってるしさ!
でもでも、こんなに更新してないってえのに、読者さんは今日もたくさんいらっしゃってる……!
ああ、なんて……なんて俺は馬鹿な管理人なんだ……! 馬鹿で、アホで……
そして何より……恵まれてる管理人なんだ。
書く。書くよ俺。ここで書かなければ、永久に俺は読者さんに恩を返せない。
俺……読者さんの期待に報いるために今一度……頑張るよ!!
よし、そうと決まれば今日起こった出来事を、面白おかしく捏造しまくり。
挙句の果てには彼女と別れたとかそういう釣り的要素を用いてヒートアップさせる!?
ネタよネタ。人生ネタとか言ってる、浅はかな輩を俺が目を覚まさせてやんよー!
お涙頂戴話に、爆笑話、なんでもでっちあげてやんぜーーーグヒュヒュヒュヒュ!!
そんなこたあ、まったく思わぬ。なんだよ期待に応えるためって。
素人がどんなポジション?
まあ、わりと本音を垣間見せつつ弁解。
ただいま39度の熱が出始めて、4日目。
昼間に熱が下がり、夜になるとまた39度になるという奇病に悩まされておりまして、
今僕に青い顔をしながら、「ははっ……すぐ……すぐ治ると思うよ? はは……」なんていう、
胸に一物つまらせた物言いで話しかけようもんなら、浅はかな僕は
「僕は難病なんだ。もうじき死ぬんだ」なんて悲劇ぶる。悲劇ぶった僕は、
「お前らは元気でいいよな……僕なんて……自転車にすら乗れない……!」
「な、何言ってんだよ! ば……馬鹿だなあ! すぐ治る……よ!」
「慰めはよせよ!」 ガシャン!! パリーン!!
そこからY平家を襲うのは病床に伏せる長男によるDV。
もっとも力によるviolenceではない、言葉によるviolenceである。
「もうやめて! Y平!」「うるせー! 殺せー!」
悲観。
ちょっと病気が長引くと俺は難病なんじゃないかと思うのは、子供です。
まあそんなこんなで、なんか体調がよくなってきたのでブログ更新です。
体調がいいのでエロサイト見ようか迷ってます。見たらおしまい。そんなことは分かってる……けど、
その背徳感がたまらなく……そそるのよ!! (ビクビクッ)
こんなこと書いてるうちは大丈夫。
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逃げ的雑記 テーマ「車」 By Y平

さてさて、長期にわたって連載してきた「シャイアンの就活小説シリーズ」
投げやりに書きはじめたこのシリーズもなんだかコメント欄を見る限りでは
割と好評を頂いているようで、「文才あるね」「クオリティ高い」「童貞ください」
などと、拍手賞賛の雨あられ。
なるほど、僕ってけっこう文才あるのかな? いやあ、文才あるんだろうな!
皆があんだけ言うんだし。つーことはだ……俺っていわゆる……
才能の持ち腐れやってんじゃないっすかね?wwwwww
その……もっと天狗になってもいい時期なんじゃないっすか?wwwwwwww
何こんなとこで文書いてんのよ、俺さあ?wwww
作家になるしかないっしょー?wwwwwww
とかあらぬ夢を描きはじめる段階ですよ。学生ブロガーってホント馬鹿wwww 
血気盛ん、自信満々意気揚々の俺は自分の才能を武器に(したつもりで)大学を中退。
ブログに小説を書き綴り、コメント欄に「つかつまんなくね?」の文字を見つけ2日後に挫折。
履歴書に躍るは「大学中退」の四文字。
もう戻れない日々を、暗い部屋で悶々と思い起こし、家庭のDV製造機の名の下、
彼女婆ちゃん親兄弟にバッタバッタ殴りかかる構図です。
そして精神に異常をきたした俺は、世の中のすべてに向かって恨み言をつぶやきながら静かに生涯の幕を降ろす。
どぶしゅーう(頚動脈を掻き切る音)→BAD END。
ってなるところでした。あ、あぶねえ……危うく読者に殺されるとこだったぜ……
まあ、そんなノイズはおいといて、いいかげん毎日シャイアンシャイアン言うのも
飽きてきたので今日は箸休め。超くだらない日記などをご覧下さい。
シャイアンのぶん殴っても内定でないよブログはお休みです。
つってもちゃんと書いてるからね。ひ、ひええ! 殴らないで!)
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●超日記●
先日、自動車学校の路上検定があったんですよ。
いや、この路上検定というのは、いわば免許取るための最終段階みたいなやつ。
これに受かれば「あんた運転超うまい」という社会的承認が得られ、
あとは二択の学科試験を合格すれば晴れて免許取得→140キロで首都高OK、
ただし命と引き換えに……ということになるわけですね。
つーことで僕も、免許欲しさに路上検定にチャレンジしてきたんす。
いやあ、これが中々緊張する試験でありまして、交通法規を少しでも
無視しようもんなら例外なく失格。停止線を一ミリでもはみ出せば失格、
制限速度を1キロでもオーバーしたら失格ってなもんで、
僕みたいな引きニート(握力12キロ)にはいささか難題すぎるワークですよ。
自信がなかった僕は、他の受験者の様子を見て心を落ち着かそうと努力します。
自分より下を見つけようとする心。
いやあ……今にも死にそうなお爺ちゃんとか受けてないかなあ、なんつってね。
したらダメ。みんな強そうだものな。不良不良、ヤリマンヤリマン。
どこもかしこも「運転上等」みたいな顔した強面ばっかり。
やべーよあいつら、半クラとか超うまそう。傲慢なマスクの裏に、
エンジンブレーキをたくみに使いこなすインテリジェンスを持ってそう。
……だめや。こいつらにはマリカーぐらいしか勝てへん……
そうやって周りの猛者どもに気圧されながらビクビクしてると、
隅っこのほうでいかにもダメそうなメガネ「神田君」を見つけた僕は、
思わずぺろりと舌なめずり。「あいつには人生的にも勝てそうwwwwww」とか
最低なことを思いながら心は湖面のようにおだやかに凪ぐ。人間って醜い。
さて、そんな周りのカスどもはほっといて、検定開始。受験者が二人ずつ車に乗せられます。
僕はどうやら二番手のようで、まずは見学。
一番手は、ステアリングというよりはシックスセンスでカーブを曲がってそうなパープリン、服部君の検定です。
僕は「どれどれ……お手並み拝見といきますかな」みたいな超余裕な態度で、
ライバル校の試合を観戦する魚住みたいな余裕っぷりで、ズブリと後部座席に身を投げます。
はらたいらさんにさんまんてーん
……
ぶふぉっwwwwww ヘタスwwwwwwwww
いやはや、教習で何学んで来たんすか先輩?
何サイドブレーキぎゃりぎゃり効かせながら発進してんすか?
監督官「サイドブレーキ!」
おわ、思わず監督官も言っちゃったじゃない! け、検定の意味ねええ!wwww
てか……ガクン! おま、ガックン……! ぶははwww ガクン!
……クラッチ勢いよく上げすぎだから! ガクガクなりすぎっすよ先輩www
皇室の車だったら、穏やかな雅子様も、さすがにぶち切れの状態っすよ。
……あ! 聞こえる……聞こえるよ服部君? ……愛子様がゲロ吐く音がさあ。
「ママあいつくびにちてー! オロロロロロロ」
ぎゃはははは。
こうして失意のまま服部君の検定は終わりました。ひゃー、こいつが受かるなら俺なんか神だわ。
技術的には拓海とうちのばあちゃん(無免許)ぐらいの開き。余裕。超余裕。
うなだれる服部君を後部座席に押しのけ、次こそ真打!
名古屋の藤原拓海ことY平さんの運転(と書いて伝説)の始まります。
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検定の模様は音声のみでお送りいたします。
「はい、じゃあよかったら発進してね~」
「えっと、いいっすか?」
「はい! よかったら発進してね~! (イライラ」
●●●
「次、二番目の交差点右折しまーす」
「はい~」
「ちょ! ちが! ちがうよ! ここじゃないから!」
「え?」
「戻って戻って! 早く!」
「うわわわわわわ」
ギャルーンギュロロロロ!
カッチカッチ ジャキン カッチカッチカッチ ジャキン(ウインカーの音の連打)
●●●
「はい、じゃあそこらへんの安全なところで車止めてね~」
「はい~」
カッチカッチカッチカッチカッチカッチカッチカッチカッチカッチ
(なり続ける左の方向指示器)
「安全なところで車止めてね~。止めてねえ~!
ちょ、止めてね~! 止まって! 止まれ! 止まれ!」
●●●
「速度が遅い……」
「え?」
「……」
「すいません、もう一度言ってもらえますか?」
「遅い……」
「あ、はーい。 ここ50キロっすもんね~はははwwww」
「……」
●●●
ぎゃりぎゃりぎゃりぎゃりぎゃり(サイドブレーキをかけたまま発進する音)
「あ!」
「……」
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かくして、教習所内にがっくりとうなだれる服部君とY平君の構図が完成されたわけです。
つか検定終わって、服部君抜きで反省会みたいのがあったんだけど、
平素はすごい優しかった教官に
「あんたの運転は、安全確認とか別にいいし、違法とかそういうわけじゃないんだけどさー。
自己中なんだよねマジで。周りが見えてないっつーかさ、そりゃ緊張もあるんだけどさ、
マジこれで路上出すの心配。っつーか他の車の迷惑。
40キロのとこで20キロで走る期間が多すぎるわ。
停車もウインカー出したらはよ路肩によらなかんしさあ。
俺が後ろのドライバーだったら「死ね!」って思うかもってか、思う。
はっきりしなかんてえ。いつか事故るにこんなんじゃ?」
わりと原文このまんまのことをズドンと言われて、軽く泣きそうになりました。
誰だよ藤原拓海って。死ねよ。
「ぜってえ落ちた……」「もっかい受けようぜ……」なんて話しながら
いつの間にか服部君と仲良くなった僕は、どん底に沈みながら発表を待ちます。
こんなときに友人からいきなり「検定おちただろー?ww」などと、
不謹慎なメールが届くのが憎い。マジあいつひき殺したい。
30メートルぐらい引きずって轢き殺したい。免許ないけど。
そのときです、俺をケチョンケチョンに評価した普段はものすごい優しい教官がやってきました。
ドックンドックン……
受験者に緊張が走ります。服部君と俺、そして交差点で止まっちゃったヤンキー鈴木君も、
一生懸命祈ります。メガネの神田は余裕しゃくしゃくです。あとでメガネ割ろう。
緊張の一瞬……!!
「はい、みんな合格でーす」
ひゅっ……みんなの肩の荷が降りた。ぴんとした空気が一気にゆるみ、
安堵の笑顔があちこちで浮かぶ。僕も途端に元気を取り戻し、
「つかこれで落ちるやつってどんなんよ?」みたいに調子こきだします。
マジ運転簡単だわwwwwwww
そのあとは感動も何もない、すげえ事務的な卒業式が執り行われ、
晴れて僕は自動車学校卒業ということになりました。
印象的だったのは、他の受験者たちは82期生とかだったのに対し、
僕は20期生だったことですかね。さぼりすぎだから、僕。網野か。
学科賞

そうそう、なんか知らないけど「学科賞」なんてこ洒落た賞も頂きました。
正直身に覚えがないのですが、なんか真面目にがんばったから賞です
みたいなノリで受賞しちゃったようです。
真面目に行く人が卒業に7ヶ月もかかるかってな話ですけど、
そこらへん学長は何考えてんすかねえ?
ちなみに神田も貰ってました。さすがメガネ。
しかしまあ賞、賞ですよ! いやあ、賞というくらいだから、
なんかイイもん入ってないといかんですよ。
金一封、悪くてもビール券5000円分くらいは入ってないと、潰します。
大型特殊自動車で車校ぶっ潰しますよ。免許ないけど。
ばあちゃんにあげた

銭湯無料券て
ということで、二度と僕は自動車学校に行きたくないです。
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リンクに「田舎の公立高校から独学で東大合格!!」を追加しました。
うcら君、ご確認ください。

シャイアンのぶん殴っても内定でないよブログ その3 By Y平

~シャイアンのぶん殴っても内定でないよブログ~
その1 その2
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大人になるとは一体どういうことなのか? なぜいつの間にか皆、大人になっていったのだろうか。
俺たちがガキのころ。ツネオは社長になりたがっていたし、
シスカちゃんは外交官になりたがっていた。
そして俺は、伊東つばさのような大物歌手になりたいと、夢見ていたのだ。
その夢は体が大きくなるにつれ、より現実的にしぼんでいき、ツネオはしがない会社員に。
シスカちゃんは訳のわからない金融あたりに勤め、そして誰かと結婚して
かつての夢は塵と消えていく。
最初は誰もが、「特別な存在になれる」と信じてやまない。
「大きなことができる」と信じてやまない。
だが、現実は漫画やドラマのようにスンナリとはいかず、
そんなヒーローみたいな存在になるためには、努力とか、忍耐だとか、
そして何より運だとかが重要になってくる。
誰しもがその道程で挫折し、あるいは妥協し、
社会の歯車として四苦八苦しながら働き、身を削っていく。
そこにはスリリングなやりとりは滅多になければ、
英雄とあがめたてられるような事件なんてほとんど、ない。
そうして長年身を削って生きてきたあと、死ぬ間際になって、
「ああ、俺はいい人生を送ったよ……な?」などと、
自分に言い聞かせ、自己満足のうちに人は死んでいくのではないか? 
武道館をいっぱいにすることもなく。ミリオンセラーを出すこともなく。
自家用機を購入することもなく。
そんな生き方を「夢がない」と一蹴してしまう者が子供で、
その中にも生きがいを見出せる者が大人なのだろうか?
俺は「夢がない」と思ってしまう。多くの人間が歩むような道なんて、
歩みたくないと思っている。
しかしそれでは、俺は歌手になるための努力をしてきたかというと、「?」である。
ただただ、大声で近所に騒音を撒き散らし、自分の欠点を省みろうともせず、
才能があると半ば自己暗示をかけ、気分がのったときにだけ歌い、
そして皆は俺の音痴さを煙たがった。
中学になって俺は思った。「才能がない」と。しかしそれは逃げである。
「才能がない」というもっともらしい理由をつけて、俺は逃げたのだ。
あのときならば、まだ道はあった。いくらでも道はあった。
本気になれば、できないことはなかった……はずである。
それは何も、俺だけではなくて、シスカちゃんも、ツネオも……そしてノベタも。
掃除機の音で目を覚ました俺は、あかない瞼をこすりながらゆっくりと起き上がる。
枕もとの時計をフッと見やると、時計は既に8時半を指している。
朝日が秋とは思えない鋭い強さで、俺の布団に差し込んでいた。
ジンワリとパジャマが湿っていて、室内は暖かいというよりは暑いくらいである。
ずおーっという、掃除機の音を聞きながら俺は部屋を出る。正面には妹のシャイ子の部屋。
この暑さのなか、襖は締め切られており、中にはシャイ子が熱心にマンガを書いている気配がする。
こんなに朝早くから、精の出ることだ。
ギシギシと古びた階段を降りると、母ちゃんが掃除機をかけているのが見える。
母ちゃんは廊下にぼおっとつったている俺を発見すると、朝もはよからがなり声で喚く。
「いつまで寝てんだい! さっさと家の手伝いするか、大学にでも行きな!」
大学は休みなのだが、弁解するのもめんどくさかったので、適当に生返事して俺は店先に向かった。
俺達の家庭は、自営業で生計を立てている。
昔は地域に密着した乾物屋で、なかなか繁盛していたのだが、
向かいに大きなスーパーマーケットができて以来、客足はグンと遠のいたままだ。
閉められたシャッターを内側から開けると、一気に店内が明るくなった。
正面に見える太陽が、ぎらぎらと俺を照らし、思わず手をかかげ、目を細める。
振り返ると、たくさんの干物が入ったビンのわきに、小さなざるがかかっているのが見える。
ざるの中に入っている小銭は、随分前から179円のままだ。
途端にツネオが羨ましくなる。
俺はビンに入っている干物を適当につまむと、干物を口に入れたまま身支度を整える。
冷蔵庫からパック牛乳を取り出し、そのままラッパ飲みする。
「大学行ってくる」
俺は母ちゃんに向かって叫ぶと、そのまま店先から家を出た。母ちゃんは返事もしなかった。
もちろん、大学へ行く気など毛頭ない。ただそこらをブラッと散歩したかっただけだ。
ブラッとして、空き地の土管の上で寝るのである。
俺は朝の幾分か強い日差しの中、自転車も使わずこつこつと歩き、空き地へとたどり着いた。
有刺鉄線を乗り越え、積まれている土管の上へ腰を下ろす。
そこでボオッと青い空を眺めるに徹した。
思えばなぜ大学などに入ったのだろう。
中学の頃、成績の悪かった俺は3流の私立高校へと進学した。
そこではまるで勉強もせず、大好きな野球ばかりをやるのだが、俺は楽しかったし満足していた。
甲子園へ行くことこそできなかったが、三年の夏、二番手ピッチャーとして夏の大会に出場。
結果は、三回戦で押し出しのサヨナラ四球を出し、
失意のまま引退することとなったのだが、俺の心は晴れ晴れとしていた。
野球の感傷に浸りながら、俺がゆるゆると高校へ通っている秋。
世間一般の高校生はすべて、受験か就職かという人生の岐路へと立たされていた。
俺達の学校は、進学校ではなかったのだが、それでも全校の2パーセントぐらいは
大学へ進もうとするものもいた。
進学組は、就職組とは違って、授業にはあまり出ない。
予備校やら、自宅学習やら、はたまた高校の進学担当の教師の特別補習などを受け、
就職組とは物理的に隔絶される。
そして毎年何名かは、二流の私立、三流の私立に見事合格し、
就職組とは少し違った生活を送ることになるのだ。
その進学組の中に、あのノベタがいたのである。
飄々とした風貌のノベタが、冴えない顔して特別補習を受けているのを見たとき、
俺は言いようもない劣等感にさいなまれた。
無論、ノベタが俺より下であることは確たるものとして、俺の心の内を支配しているのだけれど
(そんな汚いことを考える自分に嫌悪感を覚え始めたのもこのころ)、
ノベタに対して嫌悪を……憎しみを抱いた。
「ノベタのくせに生意気だぞ」
俺はノベタに向かってそう言い放つと、その日中に担任のところに行き、
進学組に加えてもらった。ノベタは意外な仲間が増えたことに、純粋に喜んでいるようだったが、
俺の思惑は違う。ただノベタが生意気だったから。
動機不純ではあるが、そのときの俺は確かにノベタのためだけに大学進学を選んだ。
そうして今、俺は大学に通っている。そしてまた人生の岐路に立たされ行動できないでいる。
理想も何もなく、入れてくれる企業に苦もなく入る。
転職する行動力もない俺は、そこで待遇悪く働かされ、一生を終えてしまうのか。
そんな人生は……
ノベタに会いたい。俺は急にノベタに会いたくなった。
確か最後に会ったのは成人式のときだった。一体やつはどうしているのだろう?
相変わらずノベタらしく、不器用に生きているのだろうか。
それともツネオやシスカちゃんのように、はつらつと、元気にやっているのだろうか。
就活の話をイキイキと話すノベタを想像すると、ざわざわと心が乱されていく。
ノベタノクセニ
心の底からの声なき声が、俺の内部を響き渡らせる。
そして俺はその音響に、怒りに、心身を任せつつありながらも、
心の底では自分が墜ちていくのを認識していた。このままじゃいけない。
俺は土管から飛び降りると、空き地を出、まっすぐにノベタの家に向かって歩き出した。
デキの悪いあいつが、どう生きているか。デキの悪い俺が、どう生きるべきか。
確かめようと思ったのだ。
少ししめった秋風が空き地をざわっと撫でる。
雨に濡れた草木の匂いが、彼の去った後に離散していった。
~最終話に続く~
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● オフレコ ~作者の叫び~ ●
目下の話題は日ハムだろうがよおおおおおおおお!!
なんで俺はこんなもん書いてるんだよおおおお!!! SHINJO!!