ジム de AV男優

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 2ヶ月ぐらいジムに通ってる。昨日も西区体育館に行ってきた。
 区営だけあって一回390円、回数券だと6回1950円という破格の安さである。以前も僕は私営のジムに通ってた事があるが、そのときは1ヶ月8400円。しかもジムに行くのは3ヶ月に1回ほどで、もはや通ってたとは言えないし、完全にお金をドブに捨てていた。
 でもでも、390円なら変なプレッシャーもなくのびのび出来る。その安さ故、おじいちゃんやら学生やらが来てノンビリ汗を流す。いい空間である。
 今日ものんびりバンプアップ。ジム効果のせいか、最近にわかに体がでかくなってきた。腹筋も割れてるし。腹筋割れてるプログラマーってかっこよくない? 自己陶酔。今日もムキムキ腹筋やって妻に腹筋自慢するんだ。っつって、マシンでガションガションやる。ふう。いい汗かいてるわ。
 「あーっす、あー……すあーーーっす!」
 僕やおじいちゃんがのんびり筋トレをしていると、突如響き渡るAV男優みたいな声。なんぞと思って見回すといかにもなガチンコおじさんが筋トレをしている。
 「すーあーーーっす! あああぁーー……っす!」
 いつもならよぼよぼのじいちゃんばあちゃんが、平和に筋トレしているのがこのジムの日常である。が、今日はガチ勢が来ている模様。ガチ勢は汗をダラダラ、僕の2倍くらいのウェイトで必死に筋トレにはげんでいる。
 悪くない。別に悪くないのよガチ勢は。でもその大声やめてもらいたい。なんで区営のこんなショボイジムに来ているのか。コナミスポーツとか行きなさいよアンタ。
 「あああああああああああーーーん! んーああーーーっんっっすっす!」
 逝ったんじゃないかと思うほどの絶叫をひびかせるガチ勢。その傍らでは綺麗なねーちゃんが冷ややかな目線をあびせている。どうやらガチ勢の彼女らしい。レッグプレスを終えた後、ガチは彼女の元に戻り、手取り足取り、正しい腹筋の仕方などを教えていた。そのときのねーちゃんの目。テンションの高い中山キンニクンにドン引きする客みたいな目をしていた。
 まあガチは放っておいて、僕は僕のペースで筋トレするのみである。ベンチプレスをもくもくと続けていると、横に誰かの気配。誰? と思って見上げるとさきほどのガチおじさんだった。
 「君、ベンチの高さは大丈夫?」
 どうやらベンチプレスのグリップの高さを気にしているらしい。あ、いや、全然大丈夫っす。僕はガチおじさんに愛想笑いを返すと再びベンチプレスを開始する。
 「いよーーっし、いい力強さだ!」
 ガチおじさん、僕の筋トレを見ながら満面の笑み。いや、え? 何この人?
 「高さ、大丈夫だった? ちょっと高めだったんじゃない?」
 ベンチプレスを終えた僕に話しかけてくるガチ。はあ、そういえば気持ち高かったかもしれない。僕はマシンに近づきガチに向かって「これどうやって高さ変えるんですか?」と愛想質問をしてみる。するとガチ、マシンに近づく僕を静止し
 「あー、駄目駄目! ちょっとインターバルおきなさい! いっぺんにやっちゃ駄目!」
 と注意してくる。いや、えっと、グリップの高さの変え方を……はい。
 その後、筋トレ中、度々ガチおじさんは僕に話しかけてきた。「スポーツはやっているのか?」とか「いつもウェイトはどのくらいか?」とか「呼吸がだいじなんだ。すーっはーっつって」とか。ガチはものすごい笑顔で腰に手を当てながら僕に話しかけてくる。いや、いいんだよ。でも僕は誰にも干渉されずに筋トレしたい。黙って筋トレして黙って帰りたい。
 ガチに話しかけられながら一通り筋トレを終えた僕はジムを後にする。背後に
 「あーーっす!!!! んなーあーあああっす!!」
 というチョコボール向井みたいな声が響く。いやだ。来週もこの人に会ったらどうしようと思うと2ヶ月続いているジム通いが途絶える危機感がわいてきた。

叫ぶ夫

 黒歴史をよく思い出す。最近の黒歴史ラインナップで一番強いやつは、中学の頃好きだった鈴木さんに告白したが振られ、あろうことか鈴木さんの彼氏が仲の良かった友達だったとき、俺はもうぐれてやるって言って、シャツをだらしなく出すという、当時の僕からしたら精一杯のヤンキーの風袋をしていたところを、件の鈴木さんに見られ、「それはやめた方がいいと思うよ」と指摘され、うあーっ!
Y「うあー!!!」
 晩飯のチャーハンを作っていたところその鈴木さんの黒歴史がリフレインし、じゅうじゅう焼かれるチャーハンの前で叫ぶ僕。
妻「どうしたどうした」
Y「あ、いや。イヤな事思い出してたの」
 一人で作業してるとときどきこうなる。

引っ越しの一括見積もり功罪

 引っ越しするので引っ越し業者に訪問見積もりを出したと言った。今日が一斉見積もりコンペの日である。数社の引っ越し業者が一同に僕のアパートに集結、おのおのの思いの丈をぶちまける日。さながらトヨタに群がる部品メーカーのプレゼンの様相。各社、全力の品質とコストのせめぎ合いを引っさげやってくる。
 午前9時。先行の2社がやってきた。一人は愛想のいい若手、一人は主任と称した営業は愛想ではなく中身だ体の中年。どうでもいいが中年のほうはタバコ臭かった。禁煙をせねばと僕の頭にも引っ越しとは関係のない緩いはちまきが締まる。
 若手のほうはとにかく礼儀正しく、世間話もはずむはずむ。タバコのほうはどちらかと言うとお話は苦手そう。ふふん。また若手のほうは、「一括見積もり依頼されたんですよね? あれ本当に営業電話いっぱいかかってきて大変でしたでしょうー? いや、ほんとすみません」と営業のしつこさを事前に労うファインプレー。苦労をわかってくれる人に僕たちの心は掴まれます。更に言えば玄関の電気を自主的に消したのも若手でう。タバコのほうは玄関の電気つけっぱなしで入ってきた。もう勝負は始まっている。コスト、品質に差がなければ最後は営業さんの印象だけで決まるこの世界。「あの営業さんがよかったから契約しました!」というのは営業が喜ぶ至上の言葉であり、よく新卒説明会で謳われる新卒殺し文句である。にくいぜ若手。いい仕事しよる。
 結果品質、サービスにほぼ差がなかった。むしろ若手の会社のほうが品質、サービスに分があった。しかも安い。玄関の電気も消す。心証、中身ともに申し分ない。ただタバコのほうも負けていない。少しだけ高い以外は問題が無い。というかどちらも安すぎた。大手だけどこんなに安くていいの? むしろこれでどうやって利益を出すのか。ニコニコの二人は会社をつぶしにかかってるんじゃなかろうか。おそらくこれが同日に見積もり訪問をするメリット。お互いにつぶしあい利益ギリギリまで勝負してくる。
 にこやかに若手とタバコを別れて次はもう一つ大手の営業さんが入れ替わりでやってきた。こちらは現場上がりの営業さん。精悍な顔つきに現場を知ってるという自信があふれる。現場上がりは一通り部屋を見回し見積もりをピコンとはじく。すごく……現実的なお値段です。そうだよね3人も社員呼んで、トラックも用意したらこのぐらいの値段になるよねって額。お値段は若手とタバコの1.5倍くらい。高いのが悪いとは言ってない。若手とタバコが安すぎる。このお値段だとバイト代だけで赤字になるレベル。なんか逆に不安になってきた。「実は若手さんの会社はこのぐらいでして」と若手の置いて行った見積もりを見せると現場上がり、目を丸くして「これは……どこで利益とるんですかね……?」と一言。僕もそう思います。
 というわけで現場上がりとは、若手とタバコの値段がいかにクレイジーかを現場観点から語るという謎の談義に終始した。帰りしな、「うちは……手をひきますね」としょんぼり言っていたのが印象的。同感。若手とタバコの会社がクレイジーすぎるのである。しょうがない。これにて全社見積もり完了である。
 さて、じゃあ一番値段が安クレイジーで高品質な若手に電話しようかなと思ったら、タバコから電話が来た。今更なんですか。「どうでした、うちも他の業者に比べれば安かったですよね。ただ若手さんのところはねー。ということで特別に若手さんより安い○○円でどうでしょ!?」と更に押しの一手。最初の値段ですらクレイジーなのにさらに7がけしよった。あまりに安すぎて「いや、それじゃ……利益でないんじゃ」と思わず伝えると「大丈夫です! ただ、今! 今決めていただければ○○円です! 返事ください! ナウ! ナウ!」とすごい。今返事しないとだめってちょっとした悪い商法じゃないのか? といっても○○円は安い。ならタバコさんのところでって返事した。「じゃあ明日段ボールとか送りますね!」明日て。マジで。
 正直若手の方が心証がよかったため、ちょっと残念だなと思いつつ若手にも断りの電話を入れる。留守であったためひとまずタバコさんのとこに決めましたとだけ言づてして切る。はあよかった。これで心おきなく引っ越せるとほっとしたのも束の間、しばらくしたら若手から鬼電キタ。
 「うちなら△△円でできますよ!!!」
 え、それって若手さんの日給にも届かないんじゃ……え? 待ってくださいね。これをタバコに伝えますんでとタバコに電話。タバコ臭い息を飛ばしながらタバコが清水の舞台から飛び降りる。
 「じゃあうちも△△円!!」
 ということで、当初僕が考えていた予算の4分の1ぐらいで引っ越し出来る事になった。具体的に言うと諭吉が2枚でおつりが来る金額。明らかに安すぎる。大手なので信頼しているが、こんなことやってたら日本経済は停滞するわなと日本と当日の引っ越しを憂いている。安ければ安いほどいいが、非現実的なほどに安いと不安になる。あとでつぼとか買わされても僕に断る勇気はない。引っ越し業者怖い。

ラスト金魚 〜病気にかかった東錦〜

 東錦が病気になったっぽい。
 これが元気な時の東錦。
元気な時の東錦
 これが今。
今の東錦
 元気なときと比べると明らかに艶がなくなってるし、痩せ細ってる。めっちゃ小さくなってて顔が違うよ。人間でこうまで変わったら、どうしたの? ってなる。
 ググったところ金魚部の記事と同じなのでひとまずこの記事と同じ治療法を試す。金魚超手間かかるわ。
 また金魚も不調ですが、僕も不調です。頭痛がおさまらず吐き気をもよおしながら塩水浴の準備。つらいので今日のブログはこれでやめる。あれだ、今日はブログ休みます。それ言いたかっただけ。

引っ越しコンペティション

 引っ越しするの。なので引っ越し業者に依頼しなければならない。やだなーやだなーなんて思いながら重い腰を地面につけたままにしてた。あまりに動かない僕を見て業を煮やした妻。いつの間にかインターネットで見積もり依頼を出そうとしてる。「本棚がいっこでー、衣装ケースが5つでー」とかなんとか。ブツブツ独り言いってました。僕はそれを見ながら鼻くそほじりながらお茶飲んでました。
 「できた!」
 妻の嬌声が響く。引っ越し業者に見積もり依頼だしたよーと。ウキウキの妻がおる。あらマジで? 一括見積もりで大手引っ越し業者6社にいっぺんに見積もり依頼を。すごい。僕は引っ越しはしたいが引っ越し業者に電話はしたくないという真性怠け者なので見習いたい。ははあー妻様ーなどと平伏してたら異変おきた。
 ジリリリリリン! ジリリリリン!
 妻のiPhoneがにわかに鳴り出す。見積もり依頼して1分である。ちなみに22時である。どういうルートでこの迅速電話がかかってくるのか興味わいた。その前に常識的に電話してくる時間じゃない。
 一抹の嫌悪感を覚えつつ妻が電話に出ると「アリさんマークの引っ越し社」だった。夜分遅くにすみませんだとかなんとか。じゃあかけてくんなよとか思いつつ訪問見積もりの日を決める。ではお願いしますねーなんつって電話を切る。はあ、緊張した、と妻のため息。
 そしたらアリさんと話してたわずか3分の間に、妻の電話に留守電が2件、メールが4件。全て訪問日決めるから折り返し連絡しろという旨。
 架空請求を思い出す。「あなたエロサイト見たから至急ここに連絡してください」テイストな。すげえ怖いのよアレ。実際に電話したらすげえ罵倒されっからね。無視するに限る。
 でも無視できない。なぜなら引っ越し業者だからだ。もう夜も遅いので、明日にしようとひとまず寝る。
 次の日。仕事を終え家に帰ると妻が浮かない顔をしている。妻の携帯を見ると昼の2時3時にガンガン電話かかってきてる。全て引っ越し業者である。もはや架空請求よりひどい頻度。どうして仕事中の昼にかけてきてつながると思うのか。しかも「2月上旬に引っ越すんなら早急にやらないとヤバいよ!」と脅しかけてくる。留守電で。これは悪徳業者がよくやるやつ。「いついつまでに支払いしないと違約金発生→裁判起こすぞ」の属性。架空請求がよくやってくる手法。
 キレた。なんでこんなバカなのっつって、言われた通り折り返しお電話したよ。一発説教かましてやろうってね。
 そしたらオペレーターさんすごい。底抜けに明るい。ぐいぐいくる。週末に訪問見積もりをお願いしたら、他の引っ越し業者の訪問日も聞いてきた。はあ、同じ週末に考えてますっつったら、
「いやー、やっぱ引っ越し時期迫ってますから早くやりたいんですよねー。明日とかどうですか?」
 と返答。明日空いてる? ってお前。友達か何かか。平日だし。仕事でいないっていってるのに。明日飲みに行きましょうよのテンションで聞いてくる。
 丁重にお断りしたところ、今度は他の引っ越し業者と同じ時間に訪問するっつってきた。すごい。契約取る気満々である。こちらの都合とかじゃない、有無を言わせない契約したいオーラ。「勉強させてもらいますんで! 勉強!」とぐいぐいくる。もう疲れた。いいよ。
 んで無事いろいろな引っ越し業者を我が家に招くアポを取ったのだけれど、まだ終わらなかった。アート引っ越しセンターさんとの電話。なんかアートさんは引っ越しの見積もりと一緒にインターネットの契約も紹介してくれるらしいよ。いらない。自分で探す。ただでさえこの電話攻勢にイライラきてるというのにこれにインターネット業者が加わったらたまらない。インターネットは自分で探すんでけっこうです、との旨を伝えて電話を切った。
 そしたら電話切って30秒だよ。速攻で電話がなった。出るとインターネット業者だった。アートさんに紹介受けまして云々。いや断ったんですけどね、って言ったら
「それがですね、キャッシュバックがございまして」
とまったくめげる様子を見せない。負けたよ。アンタ達すごいよ。